うどん

夢は何気に叶っていた。

先日思い立って家族で手打ちうどんを作りました。うどんって小麦粉から作ると、結構大変なアクティビティなんですよ。



私は中2〜高校3年まで香川県に住んでいて、さぬきうどんには思い入れが強いこともありこの商品を購入しました。



香川に住んでいた時、高校家庭科の授業でうどんをいちから作る実習がありました。先生曰く「讃岐の人として味を受け継いでください」みたいなことを言っていた記憶があります。先日うどんを打っている時になぜだかその調理実習のことを思い出したので、ちょっと振り返ってみます。

私の班は私と男子2名(仮にA、Bくんとする)のあわせて3名。他の班は皆でわいわい話をしながら楽しそうに作っているのに、私の班はなぜかそうじゃなかった。Aくんはまずやる気なくて、手伝わないのに文句だけ言ってくる。Bくんは何もしないけど文句も言わないのでまだましかな。

「これやってくれる?」って具体的にお願いしても、Aは無視。感じ悪いぞ。Bはやってくれるけど、本当に言ったことのみしかやらない。
「こういう人と将来絶対に結婚したくない。苦労しそうだ。」と思いながら、淡々とほぼ一人でうどんを作っていました。



他の班が楽しそうにしてる姿を見れば見るほどやる気がなくなる。
「なぜやる気のない人たちと一緒の班になったんだろう。」
「私も他のやる気のある人たちと一緒に作りたかった。」せっかくの実習なのにしらけるばかり。
気持ちが萎えてきたのでしょう。最後うどんを細く刻むフェーズの頃には私のやる気はもう消えかかっていて、やけくそだった気がする。適度に細く刻む方がよいさぬきうどんですが、その時のうどんはかなりぶっとくなってしまった。これを茹でると…きしめんを通り越してすいとん状態に。もはやうどんじゃないくらいの仕上がりだった気がします。すいとん化したうどんを見てAが一言。



「ありえない!なにこれうどん?」と吐き捨てた。



ふざけんなよ。だったら自分で作れ!(もちろん心の声。)
すでにやる気がなくなっていたところに、こんなことを言われたらさらに萎える。気持ちが小さくしぼんでしまう。



そのころBは…黙々と、すいとん風うどんを食べていた。黙々と。


私も食べてみた。見た目はもはやうどんではないが、味は普通においしい。Aに聞いてもらいたくて「あ、意外と美味しいよね?」ってBに話しかけたら「うん、おいしい」と一言。その後も二人で黙々とうどんを食べ続け、Bはお代わりまでしてくれました。



なぜだかこの瞬間Bがものすごい良い人に見えてきてしまったことを、今でもはっきりと覚えています。Bのことは男性として全く好きじゃないんだけど、ほわっと心の奥があたたかくなった。美味しそうに食べてくれる人が出現したことにより、楽しくなかった調理実習がそうでなくなった。


作ったご飯を美味しそうに食べてくれるって、こんなに嬉しいことなんだ!


・将来結婚するときは、必ずご飯を美味しそうに食べてくれる人を選ぼう
・子どもができたら食事の時間を楽しく過ごせるように心がけよう
この時、心に決めたことです。



その気持ちはずーっと心の中に生きていたのでしょう。夫は私の作ったものはいつでも美味しそうに食べてくれるし、子どもたちはありえないほどよく食べる。ご飯の時間はいつも楽しい。


私の夢は、何気に叶っていた。
手打ちうどんを食べながらふと感じたこと。


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浜田 綾(コトバノ):ライター
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