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死ぬかと思った

腸炎ビブリオになった話
アラサーでマジうんこ漏らすかと思った話を聞いて欲しい

異変は朝から始まった
いつもの胃痛かと思い出来る家事を終わらせて
少し横になったら地獄の始まりだった

1時間くらい胃痛で脂汗をかく
おかしい、この時点で異変が始まっていた
ただの食あたりや冷えじゃない

腸ビブ「横になんてさせねぇぜ」
そんな声が腹から聞こえる

ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅる…ぎゅるりん

腹下したのかと思い、出し切ったら治ると信じてトイレを往復

最終的にはシャトルランくらいの頻度で布団と便器を往復していたので無事にトイレの住人になった
便意の音階かドレミファソ…くらいでギュルっとくる
前に走り出す

布団に戻るのが不毛だと思ったトイレ横にグデっと横になる

この時点で10時だった
結局このまま16時まで同じ状況だった
耐えるしかなかった

水様便なんてもんじゃない
水分をとると同じ量以上の水がそのまま尻からでる
5分後にはね
人体って一本の管にしては早すぎないか?
ピュ〜ッと出る
世界一ばっちぃ水鉄砲

1人でいると頭がおかしくなるのか
iPhoneにむかって「hey Siri」と尋ねる
Siriに「尻から水 でる なんで?」と聞く

Siri「なんのことかわかりません」
そらそうだ


目が霞みだして意識が飛びそうになる
夫に連絡して「夫は無事か?」と確認する
そういえばここ数日で家族と別のものを食べた昼があった

それぞれの好物のお弁当
私はサーモン握りだった
もうフラグがバリバリに立っている

激安スーパーで有名なところだが
怪しいが大丈夫だろうと食欲に負けた

過去にカンピロバクターに罹患した時は
鶏の生肝を食べたのだ
それに比べたら合法じゃん
ただアレ以来生肉を触るのが怖い

さて、サーモンが原因なら
潜伏期間と症状はビンゴだ
もしかしたらアニサキスかもしれない
あぁ、死ぬかもしれない
下痢で死ぬ

下痢ラ豪雨
ゲリリンモンロー
ゲーリースカトロビッチ
OPP(お腹ピーピー)
ケツからマーライオン

最低な大喜利しか頭に浮かんでこない

口からも水分が摂れなかった
飲んだらそのまま出てくる
あの瞬間だけは金魚飲んでも出せたと思う

近隣の病院は午後休だった
もう、アカンわ
でも飲まなければOPPはしなくなっていた
一時的にだったけど口カラカラだけど

再度夫に電話をかけて
「夫に救急車呼びなよ」と背中を押されて
119に連絡する

経緯を説明している間に救急隊が来てくれた
おじさん3人が来てくれる
なんと心強いことか

納税者のみんな
食中毒ごときに救急車呼んでごめん
税金使ってごめん
と思い搬送される病院を探してもらう

その間もストレッチャーの上でのたうち回る
腹の中をウニが跋扈してるような痛みだった
あと吐き気の波がおしては引いていく

陣痛のように間欠的に痛みがあり痛みが引いている間は話せるのだが痛みが来るともうアカン
ぐぅぅぅ!っと胃の辺りを抑えてくの字になっていた
出すものがない痛みも辛いのだ

内視鏡やっててCTないとアカンらしく
救急対応できる病院を探してもらう
消化器内科の先生がいない
設備がないなど
6件断られた

結局かかかりつけの大学病院になった
地域救急の最後の砦

どこでもいいから早く何とかして欲しい


血圧に左右差が出ていて144/90,120,70みたいな感じで背中が痛むのも救急隊の人が気にしてくれていた
私も気になっていた
心臓に持病はないが何か起きたのかもしれない

結局病院に着いてベッドに移動して点滴を繋いでもらい、輸液(水分)と痛み止めを入れてもらった

痛み止めは15分でおわることと袋に書いてあった
結局15分経っても効かなかった
マシになった?気もしない

いい大人が泣きついて頼み込んでもう1本違う種類の痛み止めを入れてもらった
なんかしら併用いけるやつあるでしょ?!と内心思いつつ頼み込む
あと輸液も500mlももう1本追加された

尿検査のために尿を取ろうとするが出ないのだ
脱水だ
無理矢理出すために点滴で水分を落とす
病院に着いてもトイレとベッドを往復していた
多分50往復くらいしたと思う
車椅子で介助させてしまう手間を取らせてしまった


途中で90代の緊急性の高い患者さんが運ばれてきた
隣なので丸聞こえなのである
どうやら交通事故らしい
歩いていたら転倒して自転車のハンドルに目が当たったらしい
自損事故のようだ

救急医が「眼球破裂してるからオペで」と言う

?!

おじいさんは「あのぉ…」と言い
「トイレ行ってきますわ」と立ち上がって歩き出した
看護師の「車椅子用意しますから!」をやんわりと断り「便所どっちかな?」と聞いていた
手引き歩行で向かって行った

カーテンの隙間からチラッと見えたが血まみれだった
う、嘘やろ?なんで歩けて…る?

…嘘やろ?(2度目)…眼球破裂して…歩行できるか?
やっぱり戦争を経験した世代は強いのか
我慢強すぎて恐ろしい

CTの順番がおじいさんと私で入れ替わった
オペの関係でおじいさんの緊急度が跳ね上がった
そらそうだ
看護師が説明に来る
「いいんです、いいんです!!痛みどめだけなんとかしてくれりゃ待ちますから!」と言う

交通事故なのでしばらくすると警察官が事情聴取にやってきた

「相手の方は止まってました。私が勝手に倒れたんです」とハッキリ言った

漢気…!!
そして正直者
明らかに失明という大きな損害を受けているのに
ここまで人間って強いのかとベッドで考えてしまった


その後私もCTを撮った
CTの上部に赤い穴があり「覗くな」と書かれていたのでぎゅっと目を瞑る

イキヲスッテクダサイ
イキヲトメテクダサイ
ハイ、ラクニシテクダサイ
を3回する

しばらくしてから医師が来た
腹部の輪切り写真を見る
結果小腸が異常に腫れていた
パンパンだった
大腸よりも小腸にきたらしい

小腸で悪い菌が暴れていた

近日中に食べたものから
「サーモンからでしょうね」と伝えられた
「おそらく腸炎ビブリオです」
「1週間はゼリー飲料や飲み物で過ごしてください」
「食べても下痢になりますよ」

oh...

もうトラウマになりそうだ
心理的にナマモノが食べられない

採血結果から肝臓の数値が良くないらしいのと
小腸の腫れ方を見て

「もしかしてたくさんお酒も飲んでます?」とやんわり聞かれた
「6年くらい一滴も飲んでません」まじです。
あ、一本だけほろよい飲んだわ。って後で思い出した。

「機会飲酒も?」
「ないですね」

お酒を飲みすぎてもこんな状態になりうるのか
そんな事が頭をかすめた

そして点滴を落とし終わるまでベッドで横たわる
痛み止めもあまり効いていないがないよりマシだった

今度からは痛み止めと胃薬で様子見てみようと誓った
そして夕方連絡したはずの夫が来ない
21時頃に連絡をとって迎えに来てもらった
お会計を済ませて帰宅する

帰宅直前にドラストに寄り
OS-1を12本買ってもらったあとゼリー飲料

500円の握り寿司が治療費と諸経費で10,000円超えた

財布にも大ダメージだ、絶望である
だけど今月は6月
ボーナスダァ!!ひゃっふっ!

ちょっといい刺身が食べたいな!(反省の色なし)
いやいやいや、無理無理無理。


そして自宅療養になり3日目である
ピーク時の痛みを10とすると今は2くらいである

かなり楽になったがあまり動けないので
家事と育児は夫に任せっきりだ
いつもすまないね

最後に…
救急車の中でうんこ漏らさんかってよかったー

#エッセイ部門

無印良品のポチ菓子で書く気力を養っています。 お気に入りはブールドネージュです。