ガレージでローカル野菜マーケット
“利己と利他が循環するように、一人ひとりが今、できることを”
Youtubeを通じて女優の杏さんが、キレイな歌声と共に発信したこのメッセージが、心にじわりと響いた。
ここポルトガルでは、3月半ばにロックダウンが始まり、スーパーと薬局以外のほとんどがクローズした。
そのほんの数日後、ホストファザーがおもむろに近所の農家さんたちに電話をかけはじめた。
毎週日曜日に街で開かれていたローカルマーケットが閉鎖され、売り場のなくなった野菜たちを抱えて、困っている農家さんたちの声が聞こえてくる。
高齢の農家さんも多く、マーケット以外で野菜を売る手段を持たない人も多い。
ローカルマーケットが閉まっても、春の太陽の下、野菜はぐんぐん育っていく。
すぐに仲間たちに声をかけ、発注オンラインフォームをつくったホストファザー。
自分と仲間たちが注文した野菜を、週に1回農家さんの所へ、代表して買いに行くことにした。
大量の野菜を持ち帰り、自宅のガレージを開いたら、そこは即席ローカルマーケットに。
野菜を予約注文した仲間たちが一組ずつ、時間をずらして受け取りにくる。
私たちにとっても、スーパーで買い物するよりも感染リスクが低いし、おいしくて新鮮な地産の野菜が食べられる。
農家さんにとって、ローカルマーケットが再開されるまでの間、すこしでも耐え凌ぐための追い風になれたらと思う。
こういったシンプルで素敵な取り組みを、何でもないことのように、フットワーク軽くスタートできる人。
わたしもそうありたい。
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