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欲しいものを我慢する子ども

息子は幼稚園でダイソーのカトラリーセットを
使っていた。
それは、入園してからずっと。

本人にこだわりがないため、
私も"安いのでいいや"という理由から。

今の時代、ダイソーでカトラリーセット
(箸・フォーク・スプーン)が150円で買える。
ゴイゴイスー。

夏休みに入り、カトラリーセットのケースが
割れていることに気づいた。
使えなくないけど、万が一これでケガしてもな…
ってレベル。

そこで、ダイソーに行ったとき
また同じものを買おうと息子に提案した。

すると、思いがけず「実は…」と
友達が持っていて憧れていたという
カトラリーセットについてプレゼンされる。

「輪っかがついてて横に開くやつなんだけど、
本当はあれが欲しい」

購入したカトラリーセット

『ほほう、ならそれを買おう』とすぐにポチッ。
翌日には商品が届き、息子はこれはまた嬉しそうに
何度も開け閉めして喜んでいた。


私は、子どもの頃から"欲しいもの"を言うのが
とても苦手だった。

それは、何事も否定から入る母の反応が嫌だったから。

忘れもしない小学2年生。
友達のなかでブーツが流行り、私も欲しいと伝えたとき
「子どもなのにこんなの生意気だよ」と一言言われた。

母の性格を熟知していた私には、想定内の反応。
ブーツの話は二度としなかった。

本当は欲しくても「どうせすぐ使わなくなる」とか
言われると、こっちの気持ちは一気に冷める。
なら「欲しいもの何」って聞かないでくれよ、と。


我が子には同じ思いをさせたくない
とずっと思っていたから、
私は"欲しいものは言ってね"とよく話している。

欲しいものをすべて買っているわけではない。
ただ"欲しいって言いにくい"
とは思ってほしくないから。

幼少期の自分がしてほしかったことを
息子にすることで、当時の自分のことを
抱きしめてあげている気にもなる。

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