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フィードバックのソース別「情報提供力」についての予備調査:論文レビュー

こんにちは、原田です。
5つのフィードバックソース、組織(会社)、上司、同僚、タスク、自分自身の情報提供力に関する調査をご共有します。
自分の経験に置き換えると共感することがいっぱいでした。笑


今日の論文

Sources of Feedback: A Preliminary Investigation
フィードバックのソース:予備調査
著者:Martin M. Greller, David M. Herold
Journal&刊行年:Organizational Behavior and Human Performance, 1975年

サマリ

5つのフィードバック源(正式な組織、上司、同僚、タスク、自分自身)について、その「情報提供力」を調査。結果、フィードバック情報を得るために内在的なソース(個人に心理的に「近い」)に依存する傾向が強いことが示された。

調査方法

・アンケート調査による、自己回答
・対象は150名の夜間大学の学生のうち64名の回答
・5つのフィードバックソースについて、仕事の要求事項とその達成度に関する情報提供力を7段階の尺度で評価
・情報提供力とは、「Determining job requirements (referent):仕事の要求事項を決定するための情報提供力(指示)」と「Meeting job requirements (feedback):仕事の要求事項を満たしているかどうかの情報(フィードバック)」

わかったこと①
各ソースごとの情報提供力の平均値


Martin, David,1975

上司の指示によって仕事の要求度を決めるスコアが高く、一方で仕事の要求度に達しているかどうかは自己やタスクからの情報によって決めるスコアが高い。

わかったこと②
5つのソースと情報提供力の相関

Martin, David,1975

自己やタスクに関連する要素が、特に仕事の要求事項の決定において有用である。一方、上司や同僚、組織(会社)に関連する要素は、フィードバック情報の有用性において重要な役割を果たす。

わかったこと③
各情報項目とフィードバック情報提供者としての情報源の評価との相関関係

Martin, David,1975

フィードバック情報の有用性は、情報源の属性(親しみやすさ、影響力、助け合いの精神、評価など)に大きく依存している。

わかったこと④
各情報項目と要求事項の情報提供者としての情報源の評価との相関関係

Martin, David,1975

仕事の要求事項を決定するための情報源としての有用性は、自己およびタスクに強く依存しており、これらの要素が高いと情報の有用性が増す。

論文から得た学びと活用場面

自己報告データであるため、主観的なバイアスが含まれている可能性があるものの、自己評価やタスクから得られる情報の方が、上司や同僚から得られる情報よりも信頼されていることが示されたのは、おもしろい結果だったと思いました。
仕事の要求基準を決める時や仕事の達成度を決めるとき、どんなソースから決定しているかを振り返ることで、違う視点からの学びを得ることができるかもしれません。また、上司も部下に対して、情報ソースを確認することで、期待値の調整に役立てられるかもしれませんね!

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