1on1ミーティングのレビュー論文(2000年代以降):論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回は1on1のレビュー論文をご紹介します。
1on1ミーティングとは:
2人の個人が仕事に関連する目的で行う集まりと定義されます。例えば、同僚同士が現在のプロジェクトの進捗や将来の計画を話し合う「ピア・トゥ・ピア」1:1ミーティングや、部下が上司と業績やキャリアの目標について話す「マネージャーと直属の部下」の1:1ミーティングなどがあります。
起源は明確でないが、近年の企業(例:MicrosoftやCisco)での内部調査や実践によって価値が実務的に認識され始めた。
根拠:Rogelberg et al. (2006)
今日の論文
One-on-one meetings between managers and direct reports: A new opportunity for meeting science
マネージャーと直属の部下の1on1のミーティング:ミーティング科学の新たな機会
Organizational Psychology Review, 2023年
Jonathan R. Flinchum, Liana M. Kreamer, Steven G. Rogelberg, Janaki Gooty
サマリ
ミーティング科学は、短期間で大きな進歩を遂げてきましたが、1on1ミーティングは、主要な研究対象として実証的に研究されていない
本論文では、1on1ミーティングとグループミーティングの概念的な違いをレビューし、その違いがミーティングの前後およびミーティング中にどのように現れるかを議論
最後に、将来の研究と理論の発展に向けた指針を提供し、1on1ミーティングに焦点を当てた研究の進展を促すことを目指す
方法
1on1ミーティングに関する広範な研究と理論のレビューを実施
グループミーティングの研究成果を基に、1on1ミーティングの特性と違いを検討
2000年代以降の研究や、MicrosoftやCiscoでの実務的な知見も参照
1on1ミーティングの特性理解のために会議のプロセスモデルを使用
会議の前、中、後の各段階での特性を分析
1on1ミーティングとグループミーティングの違いを理論的に解明し、研究方向を設定
わかったこと:
1on1ミーティングは、グループミーティングとは異なる特有の目的(例:フィードバックの提供、キャリア開発の議論など)を持ち、それに伴う独自のダイナミクスを有することが明らかになった
1on1の種類と目的:
Manager-Direct Report(マネージャーと直属の部下)
目的: 期待の設定、役割の確立、進捗確認、フィードバックの提供、パフォーマンス評価、キャリア開発の議論など
Peer-to-Peer(同僚同士)
目的: プロジェクトの進行状況の共有、アイデアの生成、チームや業務の課題の議論、関係構築など
Skip-Level(スキップレベル:上司の上司とのミーティング)
目的: フィードバックの取得、長期的なキャリア目標の議論、メンターシップやコーチングの提供、組織文化の評価など
Employee-to-Customer(従業員と顧客)
目的: 製品やサービスの販売・マーケティング、顧客フィードバックの取得、顧客関係の強化など
Cross-Functional(異なる部門間のミーティング)
目的: 部門間のプロジェクト更新、アイデアの生成、部門・チーム・組織の課題の議論、関係構築など
Cross-Organizational(異なる組織間のミーティング)
目的: 組織間の関係構築、協力関係の設定、コラボレーションの議論・更新など
関連文献と理論:
Coaching & Mentorship(コーチングとメンタリング)
Job-Demands Resources (JD-R) Theory(仕事の要求-リソース理論)
Leader-Member Exchange (LMX) Theory(リーダー・メンバー交換理論)
Conservation of Resources (COR) Theory(資源保存理論)
Meeting Science(ミーティング科学)
Relationship Science(関係性科学)
Role Theory(役割理論)
Social Exchange Theory(社会的交換理論)
論文から得た学びと活用場面
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