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春が来た

本棚の寒い空気が心地よい
つめたさに変わる弥生の終わり

私が借りている実家の一室は、ベッドのすぐ横の壁が窪んでいて、その奥にすっぽりと本棚が収まっている。本の大半は父のもので、内容のサブカル味のある暗さを反映してか、夜寝ていると本棚のある方からひんやりと冷たい空気がやってくる。
つい数日前はそれが寒くて、布団に深く潜り込んでいたのだけれど、昨晩は一転して、その冷たさが気持ちよかった。風邪で部屋から一歩も出られない私にも春が届いたのだ。

床の上今年の春を味見する 鼻先唇撫でる夜風で

春になったんだ。
ベッドの上ですらそう感じられたこと。
凄く嬉しくて、首や脚、両手を布団から思いっきり伸ばす。
枕のすぐ上から入ってくる風が鼻先から唇を撫でる。目を閉じてそれらをゆっくりと味見する。
今年の春も素敵な春になるだろう。

父母の谷のブランコあの風は地球を廻って春の私へ

気持ちよくてドキドキする風。隣に誰かがいるから、大丈夫って思える風。

君のいる布団から顔を出す朝は
シューとクリームあいだの空気

ひんやりあまい。

早朝に一人で起きて化粧する
私を笑う 君のジャケット

私よりずっと君のことを知っている革ジャン。
ありのまま、いや、古ければ古いほど、汚ければ汚いほど好きな人は喜ぶ。
好きな人が寝ている間にせっせと「すっぴん風メイク♡」としている私を革ジャンは見ている。
私は大人だから八つ当たりとかはしないぞ。
ちゃんとハンガーにかけてファブリーズしてあげるんだからな。

大切なところは全部置いてきた
夢でも会えた それだけでいい

好きな人が出てきたのは覚えてるんだけど、なんの夢だったっけな〜〜〜〜。
夢の中でも大切な所は言えなかった気がする。

あの日から 季節は春に
暗闇は静かな夜に 君は彼氏に


2024/04/01

リハビリに行く日だ。
この日から筋トレ的なメニューもはじまって、本格的に足を動かしていく練習がはじまった。
といっても足の腫れはしばらくは惹かないらしい。骨折部位が出っ張っているのも、ほぼ治らないだろうと言われてしまった。
治るところと治りきらないところ。
そうゆうところがはっきりしてくる時期なんだな。
客観的にそんなふうに思っている自分が、変わってしまった身体にショックをうけるのまでの時間を少し伸ばしてくれている。

お腹の調子も回復してきていて、お昼ご飯はうどんを食べた後にチョコレートのお菓子も食べてしまった。


2024/04/02

リハビリに行ってから菓子折りを買って、職場に書類を取りに行った。
仕事中に事故に遭ってから、職場に訪れるのは初めてだったのでひどく緊張した。
帰り道の公園で桜を見ながらサンドイッチを食べた。本当はパンは一個だけにしよう、と思っていたのに、一番大好きなくるみパンが焼きたてだったので負けてしまった。

帰りにスーパーに寄ったら春キャベツを1つだけ買った10歳くらいの女の子が、そのまま小脇にキャベツを1玉抱えて自動ドアを駆け抜けていく光景に遭遇した。良いものを見た。

家の前で近所のおばあちゃんにあい、30分ほど立ち話をした。

2024/04/03
寝坊してしまった割にはマルチタスクをこなすことができた。
休職中の長女。仕事が休みの次女。高校が春休み中の三女。今日は3人揃っている。
3姉妹揃えば女子トークが楽しくってしょうが無い。
ジムに行かなければならないという次女も「いかなきゃあ、いかなきゃあ」と言いながら延々と彼氏の誕生日デートはどうしようとか、最近買った服の話をしている。
どうぶつ占いというジャンルがあるが、MBTIと掛け合わせたものはあるのだろうか。という話になり、調べたら私は犬で2人の妹は象だった。

群馬県庁アートサイトで注文したトリックスターが家に届いた。
ようこそ!



午後は映画が見たいと言ったら、最近ポップコーンがマイブームという三女がおおきな鍋いっぱいにポップコーンを作ってくれた。
あんまり頭を使わない、かつミュージカルものがいいなぁという気分だったので、恋人が教えてくれたアマプラ版シンデレラを見た。
Queenのsomebody to loveをシンデレラと出会う前の王子が歌っていてテンションが上がった。
歌詞もばっちり合っているからすごい。
ポップコーンを山盛り食べたのに、夕飯の時間にはしっかりお腹が空いていた。
家族には焼き鮭、小松菜と卵の煮物、春雨スープ。私は胸肉とキャベツのお鍋を作った。
明日の仕込みも少しできたから100点ということにしよう。

ジムから帰ってきた次女ががんばったねシールをくれた。どの動物のシールがいい?と言うので、象のシールを貰った。


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