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2009年の旅行絵日記「エアーズロックで愛など叫ばない」 (26歳)

3月25日
オーストラリアに来てから勉強しかしていなかったけど、先日ついに学校が終わった。
このまま帰国するのも何なのでエアーズロック見に行くツアーに参加することにした。


1日目:メルボルン→アリス・スプリングスへ

暑い!乾燥がすごい。
エアーズロックは遠いので今日はアリス・スプリングスで前泊する。
市内の街を歩いてみたが、メルボルンではほとんど見かけなかったアボリジニ(原住民)の人たちがたくさんいて、その辺を裸足で歩いていたりする。

前の同居人が「アボリジニは国から助成金をもらっていて、酒やドラッグばかりにお金を使っている」って言ってたけど実際はどうなんだろう。
とても裕福な暮らしをしているようには思えなかった。
街は整備されててキレイなのに、アボリジニの人々を見ていると街と釣り合いが取れていないような気がする。なんともいえない気持ちになった。

アリス・スプリングス
バックパッカーズホテル泊


2日目:ウルルへ車で移動(5時間半)

スクリーンショット 2020-11-05 午後1.19.45

申し込んだバスツアーでウルルへ目指す。
バスはヨーロッパの人たちでぎゅうぎゅうだった。格安ツアーだけど、なにも予備の席まで使うことないのに…。

それにしても車内が暑い。バスは人の熱気と直射日光でサウナ状態だった。クーラーもほとんど効いていない。
よりによって隣に座った人はでかくて有名なオランダ人だった。座席にひざが収まりきらなくて私の席まではみ出してくる。

夕方キャンプ地に到着した。夕焼けをバックにしたエアーズロックはとてもきれいだった。

今日はキャンプ地で宿泊だけど、テントはない。
キャンプファイヤーを囲んでみんなで地べたに寝るらしい。寝れるかな。

Ulutu-Kata Tjuta National Park
キャンプ場泊

3日目:エアーズロック周辺散策

スクリーンショット 2020-11-05 午後6.04.15

まったく寝れなかった。
今日はウルルで朝日を見るとかで4時くらいに叩き起こされた。

朝日がエアーズロックをオレンジ色に照らす姿は絶景らしい。
みんなが美しい光景に感動しているであろうころ、私は近くのトイレで便器を抱えながら吐いた。寝不足なのか体調が優れない。
真っ青な顔でトイレから出ると、朝日はすっかりのぼっていた。

朝日を見終わったら(私は何も見てない)、エアーズロックの周辺を散策するらしい。
エアーズロックは登山道があっててっぺんまで登れるらしいけど、アボリジニにとって神聖な場所だから…という理由で参加したツアー客は登らなかった。

みんながエアーズロック周辺を散策している間、私はヘロヘロだったのでバスで休むことにした。ガイドさんが「脱水の症状が出てるので塩水を飲みまくって」というので飲みまくった。

飲みまくった結果、急激にトイレに行きたくなったので周辺を探した。が、全然見つからない。
まわりは果てしなく続く荒野しかない。

トイレ...とつぶやきながら荒野をさまよい歩いたのははじめてだ。

ようやく見つけた看板のほうへ向かったら「あと300メートル」と書いてある。一瞬茂みを探したが身を隠せるほどでは無いので頑張って歩いた。
人生で5本の指にはいる危機だった。

キングスキャニオンへ移動(3時間半)
Watarrka National Park キャンプ場泊


4日目:キングスキャニオンを歩く

スクリーンショット 2020-11-04 午後8.57.54

今日はキングスキャニオンの朝日を見るとかでまた朝早く叩き起こされた。もう朝日はいいからゆっくり寝かしてほしい。

明け方に朝食を無理やり詰めこんでバスで移動。
キングスキャニオンのトレイルを3時間くらい歩いたと思う。赤いゴツゴツした岩場をたくさん歩いた。
行ったことないけどたぶん、アメリカのグランドキャニオンの規模が小さくなった感じかなと思った。

アリススプリングスを経ってからずっと思っていたけど、このあたりはめちゃくちゃハエが多い。
日本のよりちょっと小ぶりのやつだけど、10匹くらいずっと顔の周りをついてまわる。たぶん、少しでも湿気のあるところに来たがるのかと思う。

キングスキャニオンを歩いたあとはバスで移動して、水辺のトレイルを歩いた。
歩きっぱなしのツアーだったので、20代のうちに行っておいてよかったと思った。

そういえばきのうの深夜、キャンプで目が覚めたとき、視界にとびこんできた夜空があまりに綺麗で言葉を失った。
テントも使わないで一晩過ごすのは今回が初めてだったけど、これはこれで悪くないなと思った。
茂みで用を足そうとするまで追い詰められることもそうそう無いだろう。


Glen Helen バッパー泊
翌日アリススプリングスからメルボルンへ帰宅


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