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【サービス事例紹介】アフリカヘルスケア新規事業開発コンサルテーション

弊社は、邦人企業様に向けてアフリカヘルスケア新規事業開発コンサルテーション事業を行なっております。先般は、鳥取県の地域密着型薬局として活動する徳吉薬局様のケニア進出を支援すべく、現地視察等をサポートいたしました。本記事では、徳吉薬局様へのインタビューを交え、その仔細をご紹介します。


事例紹介 概要

「クライアント企業 徳吉薬局様のご紹介」

徳吉薬局は鳥取県東部に10店舗を構える地域密着型の薬局で、親身なカウンセリングによる医薬品提供のほか、輸液製剤の配送や病児保育室の運営など、健康や福祉に関連する様々な事業を展開しています。

「AA Health Dynamics社提供サービス」

・ケニア現地視察のアレンジメント(視察先の提案・選定、現地の医師、薬剤師、薬局、病院、医療保険会社とのアポイントメント、車両手配等)
・顧客開発支援
・ケニアの医療制度に関する情報提供
・ケニアのオンライン診療のニーズ調査
・ケニアでの生活等の情報提供

徳吉薬局様 インタビュー

インタビュイー:有限会社徳吉薬局 代表取締役社長 徳吉淳一様
インタビュアー:AA Health Dynamics株式会社 鈴木健太

「ケニア現地に足を運ぶことで見えてきたビジネスの可能性」

鈴木:
本日はお時間をいただき、ありがとうございます!
まずは御社がアフリカ進出を目指されたきっかけからお伺いしたいです。何度かアフリカに渡航され、その中で進出の決断に至ったと伺いましたが、最初はいつ頃だったのでしょうか?

現地メディカルスタッフとのミーティング

徳吉様:”アフリカ=ラストフロンティア”ということで、ビジネス先として以前から関心を持っており、個人的に2018年、2019年、2023年とケニアに3回訪れていました。
最初の訪問は他社のビジネス研修という形ではありましたが、始めは研修のプログラムに組み込まれていたサファリに参加したいという動機も大きかった気がします。
ただ、ケニアの自然や文化に触れるうちにこの国にすごく魅力を感じました。、特にケニア人の方のフレンドリーさや、雰囲気がとにかく合うところがありました。

現地スタッフとのディスカッション
医師からのヒヤリング

鈴木:最初の渡航から会社としてアフリカ進出したいなと考えられていたのですか?

徳吉:そうですね、私は最初からこの土地で何かできたら、という気持ちはありましたが、うちの会社の役員に相談した際には”何言ってるんだ?”みたいな反応でしたね。
ただ、3回目、2023年にケニアに行った時に、いろいろな日本人や現地の方から話を聞く中で、医療の分野でどんな課題があるのかが少しずつ見えてきました。そこから自分でも調べて、病院での待ち時間がものすごく長い、といったような患者サービスの問題がとても目について、もしかしたらうちの会社でも色々できることがあるんじゃないんじゃないかと、トライしてみたいなと思い始めました。

「既得権益などに縛られず挑戦できる場」

鈴木:
”アフリカ=ラストフロンティア”という話もありましたが、これから広がっていく市場に対して先行投資をする、というような動機が強かったのでしょうか?

徳吉様:
そうですね、ただ他にも理由があって、日本ではできないことをアフリカで挑戦してみたいという気持ちもありました。
日本では業界団体、業界としても既得権益や規制で新しいビジネスや技術にトライすることが難しい部分があるんですよね。
特にオンライン診療に関しては、コロナ前から私は別の会社を作って、アメリカの先進事例なども参考にしながら活動をしていたのですが、外部環境がネックとなってなかなか思うように進まない部分もあって。

ただそんな中でケニアに行った際にスマホの普及率やWiFiの整備状況を見て、デジタルが進んでいるなという印象を持って、もしかしたらオンライン診療を進める土壌が整っているのではと思い、挑戦することにしました。

医師へのインタビュー

「進出検討のための力強いパートナー」

鈴木:
2023年のケニアへの渡航で現地の医療課題やオンライン診療の可能性が少しずつイメージできてきたことで、具体的な進出計画も立て始めたのですか?

徳吉様:
まずはオンライン診療を基本に考えてたんですけど、それに加えて、オンライン薬局もやって、薬を扱えるようになりたいと。
どの疾患を専門としていくかについても考えて、現地の大きな課題としてある生活習慣病、糖尿病なども認識しながら、ただ市場としてはレッドオーシャンになるだろうなと思い、自分たちしかできないことに特化して、現地でインパクトを出したいという気持ちから、自由診療のAGAやEDの分野に目を向けました。

鈴木:
アフリ​​​​​​カへの進出が少しずつ現実味を帯びる中で、実際にどのような課題で苦労されたのかお聞きして​​​​​もいいですか?

徳吉:
日々情報を共有していく中で段々と会社の役員の理解も得られてきたのですが、いざケニアに行こうと思っても現地に何の伝手もないじゃないですか!
なので、現地で​​​​​一緒に動いてくれる人、支援​​してくれる人を探さないと自分たちだけじゃ分からないことが多すぎる、という難しさが大きかったですね。

徳吉様:
その中でも現地のリアルな情報を知りたいという気持ちが強くて、現地のお医者さんとか医療従事者、患者の声をまず聞きたいと思っていました。
お医者さんの事情や薬局の事情、薬局の経営方法や薬の流通なども気になっていましたが情報が見つからず…。

それがあって、AAHD社代表の原さんに相談したっていうのが一番最初のAAHD社との交流ですね。

物件の探索

鈴木:
国の経済状況や医療業界全体の動きといったマクロ情報ではなく、現地の医療機関で働いている人、病院を利用されている方が何を思っているか、という情報を集めていたんですね。

徳吉様:
そうですね、ケニアのマクロ情報はJICAの資料などである程度は情報収集できますが、現地の細かい医療事情を理解した上で、自分たちがやりたい事業が本当にフィットするのかっていうのは、現地で当ててみないと分からないですよね。
そういった自社事業に対する生の声が聞こえるような調査をしないと、なかなか進出には踏み切れないですよね。

「日本とケニア、両者の目線で課題へアプローチ」

鈴木:
当社のサービスを知ったきっかけや最初に持たれたイメージについてもお伺いしてもいいでしょうか?

日本で行われた共同セミナー

徳吉様:
ピッチイベントで紹介され、AAHD社のピッチを聞いたのがきっかけですね。
現地での医者への医療トレーニング事業や医療クリニックの経営をされているので、お医者さんとの繋がりが強くあり、現地の医療事情にも精通されているので、抱えていた課題にピッタリはまるのではという期待はありました。
あとは会社設立の際の話も聞き、現地で事業開発をする中でトライアンドエラーを繰り返したという話も聞いて、アフリカで頑張る同志、仲間という印象も抱きました。

実際に依頼を検討していた際は、実績や過去の事業に関する記事も読みましたし、私は英語があまり得意でないので、日本人の日本の会社に頼みたいという思いもありましたね。
ただ、AAHD社は現地にケニア人の社員もいてサポートしてくれるので、日本人、ケニア人の目線をすり合わせながら調査や支援ができるのがAAHD社の強みですよね。

「現地での計画を細かくアレンジ」

鈴木:
今回は現地視察のアテンドや現地情報の収集整理の部分でご支援をさせていただきましたが、実際利用いただいてどうでしたか?

現地薬局視察
薬局へのヒヤリング
ショッピングモール内の薬局の視察

徳吉様: 
現地での生活に関しては、移動は全て手配してもらっていたので不便はなかったですね。治安に関しては少し心配していましたが、お店も普通に何でもあるし、食べ物も豊富で良かったです。
現地の人からは大歓迎を受けましたね、「ジャンボジャンボ!」って言われて。視察内容に関して、どんな人に会って、どんなことを聞きたいのか、という細かい部分は決まらないまま依頼させていただきましたが、現地での計画を細かくアレンジしていただきました。
こちらの希望を組んで、訪問した箇所も話を聞く人も自分たちだけでは到底実現し得ない、かなりの件数を設定していただきました。、結構なハードスケジュールでしたけど(笑)、この段階で数を担保できたのはとても大きかったです。

現地医療スタートアップへのヒヤリング

大学に薬科というものがそもそもないんだ、とか、薬の品質の差であったり、現地でのジェネリックの位置付けや患者からの反応など、たくさんの発見がありましたね。

あと、お医者さんの働き方の違いや、彼らの感覚を知ることができましたね。意外と不満を持っているお医者さんも多くて、綺麗な部分だけではなく、裏の部分まで知った感覚がありますね。
これまでも私はドイツとかフランスとか、ヨーロッパの病院や薬局にも話を聞きに行っていますけど、良いお話はよく聞けても、本音のところやネガティブな面についてはなかなか知り得ないことが多いです。

こういう情報は実際に調査したとしてもなかなか手が届かないですよね。
AAHD社のケニア人の現地社員がリードしてくれて、訪問先でも現地のケニア人と良い関係性を築けましたし、きちんとセッティングした話し合い以外でも、前後の雑談の中に新しい情報があったりもしました。

鈴木:
現地で展開する事業を選定する際にも、実際に雑談の中で聞いた情報が生かされたという話もお聞きしました。

徳吉様:
そうですね、最初は糖尿病とか高血圧などの生活習慣病の診療を考えていたのですが、現地で話を聞いているうちに、AGAとかEDの治療にもニーズがあると分かってきました。

また、お医者さんが患者との対面での相談にとても価値を置いていることでオンライン診療が進みにくいという側面もあったのですが、患者さんからしたらオンライン診療にすることで待ち時間を大幅に減らすことができたり、面と向かって相談しにくいことを話すことができたりすることで、オンライン診療が広まっていくのではという手応えもありました。

鈴木: 
ありがとうございます、当社の事業を通じて得られた新たな発見が、御社の事業運営に良い影響をもたらせたことを大変嬉しいです。

徳吉様: 
アジアでは既に確立されて成功しているケースも多いですが、アフリカではまだまだ発展途上です。
アフリカで頑張る仲間として、同じヘルスケア領域で一緒に頑張りながら、長期的に良い影響を与え合えればと思います。

鈴木: 
私たちとしても、一方的な支援だけでなく、一緒に伴走させていただきながらアフリカで成長していきたいという思いがあるので、そう言っていただけてとても嬉しいです。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。

お問い合わせ

この記事に関するお問い合わせや、アフリカビジネスに関するご相談は、以下の「Form」AA Health Dynamics株式会社のお問合せフォームへ移動します)、または、Email [info@aa-healthdynamics.com]までお気軽にどうぞ!

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