美しさの最果て「奇想のモード」| art-010
こんにちは!
私は週1で展覧会に足を運んでいます。
今日は、2022年4月10日まで東京都庭園美術館で開催されていた「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」について感想をまとめてみます。
シュルレアリスムとは?
シュルレアリスムは、夢・欲求・偶然など無意識を描き出すことを目指した流派です。有名な画家は、ジョルジョ・デ・キリコ、サルバドール・ダリ、ルネ・マグリット、ジョアン・ミロなど。
現実ではありえない組み合わせのものが、現実かのように写実的に描かれるのが特徴です。まさに夢をみた時のような不思議な奇妙な感覚になります。
そこから後に日本では、「現実離れした奇抜で幻想的な芸術」という意味で独自の概念「シュール」が生まれることになりました。
本展覧会は、シュルレアリスムがモードに与えた影響を切り口に、ファッションアイテムや絵画を展示しています。「シュール」なモードの展覧会でした。
展覧会サマリ
ー基本データー
東京都庭園美術館は、旧朝香宮邸とも呼ばれており国の重要文化財に指定されています。アール・デコ様式の建物・内装を観察するのもたのしく、展示をみて部屋も眺めて、と大忙しでした。
ー感想ー
・興味深度 ★★★
・感動度 ★★
・影響度 ★★
・コスパ度 ★★
①美しさについて考えさせられる
玉虫の甲冑、鳥のブローチや帽子、髪の毛で編んだドレス、纏足やコルセットの文化、花魁の衣装…「奇想」と思えるモードの数々を見て、美しいってなんだろうかと改めて考えさせられました。
美しさを追求していくうちに過剰になり、美しい<奇妙になっていくのかな、と思いつつ、時代の最中ではそれが美しいと信じている感覚はとても不思議です。
ただ美しさの追求には天井があって、盛りと抜きのトレンドは時代に合わせて交互に巡ってくるのかなと感じました。
美しさの価値観は、時代とともに変化していくものですね。
②昔のファッション誌がかわいい
ファッション誌の起源とされる「ギャルリー・デ・モード」が気に入りました。当時の流行の発信源はマリー・アントワネットだったそうで、18世紀フランスのてんこ盛りのヘアースタイル、大きく膨らんだスカート、赤く染まった頬などを描いた版画がかわいいです。
↓「ギャルリー・デ・モード」の図版が引用されている記事
他にもシュルレアリスムの画家たちが表紙を描いたハーパース・バザーやヴォーグなどがたくさんありました。当時の人も雑誌を見ながら流行にときめき、理想の装いに想いを馳せたんだろうと思うと、雑誌好きの私は感慨深かったです。
まとめ
私はシンプルな方が好みなのでシュールな展示の数々に最初はびっくりしました。ただそれらを観ながら、時代や価値観を超えて美しいと思わせるものってなんだろうかと考えるのがおもしろかったです。
美について考えることには終わりがないなと思いました。
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