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同じ被写体を撮り続けることで見えてくる視点

Instagramでひとつのテーマでアカウントを運用してみたいなぁと思い、現在『黒い車』と『白い猫』の2つのアカウントで日々写真を撮り、楽しんでいます。被写体が同じだとネタが尽きそうだなと思いつつ、変化をつけるために見方を変えてみたり、あえて変えないでみたり、「視点」を見つけることでいろいろ工夫できるようになりました。被写体が同じだからこそ楽しめるポイントをまとめてみました。ジャンルに関わらず、同じ被写体を撮り続けるときに複数の視点をもつと、運用が楽しくなるのではないかと思います。

運営しているアカウント

『黒い車』
顔を自社キャラにそっくりにしたマイカー兼営業車・ジープ レネゲード(@renegade_ultra_l)。1日1枚以上は更新しています。

『白い猫』
今年の3月に我が家にやってきた保護猫・シオさん(@sio_san_)。更新は気まぐれ。反応とかフォロワーとか気にせず、夫婦で気楽にやってます。

被写体を決める

Instagramの運用では世界観を統一することが大事といわれていますが、被写体をひとつに絞るということは最も近道です。車やペットはInstagramでは人気のあるテーマ。自分も、毎日撮りつづけられそう、かつ愛着があるものを選びたいと思い、『黒い車』と『白い猫』でアカウントを作りました。

テーマを決めたらターゲットや写真の色味などを検討していくわけですが、いきなり世界観を決めなくても、何枚か投稿しているうちに観察眼が磨かれて被写体がきれいに映る角度、場所、アングル、被写界深度、色味などがわかってきます。その助走期間はあっていいのかなと思います。

自分の好みがわかってくると、他の上手な人の写真をみて客観的にいいところが理解できるようになるので、この撮り方いいな、自分もやってみよう!ということになり、どんどんモチベーションも上がっていきます。

視点を変える

しばらくは被写体を中心にまわりをウロウロ回りながら撮ることに集中していましたが、自分と被写体の関係性が常に同じだと、ワンパターン化してつまらないな、と思うようになってきました。僕は昔から、車選びは「デザイン」ただひとつで、パーツやスペックや走りにこだわるわけでもなければ、運転が好きなわけでもないので、行動範囲が狭いのです。実は投稿写真の8割ぐらいは近所で撮影したもの。アクティブにあちこち走り回ったらもっとバリエーションが出るのでしょうけど、身近なところだけで続けようとすると、ネタが尽きてしまいます。

そこで、視点を変えてみることにしました。

『黒い車』のほうでは、ボディ+景色を撮るのではなく、車内+景色(運転席から見える景色、サイドミラーに映る景色)を撮ってみたり、車の特徴的なパーツなどを撮るのも面白いなと思いました。また、同じ場所で時間や季節を変えて定点観測をしてみると、時間の経過や季節の移ろいを見せることができます。それからボディを撮るにしても、室内などから「〇〇越し」という方法もあります。

視点を変えるということに気づいてから、撮りたいと思える場面が増え、写真を撮るのもより楽しくなりました。


▼ハンドルと景色


▼運転席から見える景色。ジープは装飾にたくさんの遊び心があるので、写真にストーリーを加えやすいです。


▼自宅の駐車場から、毎月定点観測。一番のチャームポイントだと言えるテールランプの特徴的デザインを入れて。


▼室内から

映り込む色を撮る

最近気づいたのは、黒い車のボディには、周囲の色が映し出されるなということ。青い空、木々の緑、夕暮れの赤、白い雪…など。そういったものを一緒に写すのが楽しいと思えたので、車を基準にするというより、まわりの色を探して場所と時間選びをするようになりました。

視点を変えない

対して『白い猫』は、いつもくつろいでいる場所で、表情をアップで撮るという「視点を変えない」のがお気に入り。保健所から引き取ったばかりのころはよそよそしい感じでしたが、いまはすっかり懐きました。保健所にいたときに見せていた険しい表情がなくなって、安心して暮らしている様子を見ているのが嬉しく、それを最も感じるのはくつろいでいる場所で遊ぶ(遊ばれている?)とき。そのときの表情を撮りたいので、なるべくほかの要素を排除して、白猫の表情だけ切り取るのがいいなと、つい最近気づいた視点。
『黒い車』のアプローチとまったく異なっているので、自分のなかの思考スイッチが切り替わった感じがします。

まとめ

ひとつの被写体に意識を絞ったことで、日常生活にも変化が。特に『黒い車』のほうは、移動中の風景の見方・見え方が変わり、常にロケハンしているような気分になりました。また、車という「外側から見た物体」だけではなく、車内からみた景色も含めての視点になるので、視野が広がったと思います。最初は、ほぼ通勤でしか使わない車の写真で毎日続けるのって難しいな…と思っていましたが、そういった視点を身につけたことでむしろ写真はたまるいっぽう。アカウント開設してから10か月で、気づいたら400枚以上アップしていました。対象をしぼりこむことで、ひとつのことに集中して取り組めているのも、あちこち目移りすることなく、余計なことを考えずにすんでいるのかもしれません。

毎日同じものを追い続けることで、日常が愛おしく感じるようになりました。自分に馴染む環境で、愛着のもてるものを撮り続けることは、とても神秘的なことのように思えてくるのです。


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