我が子の体験格差を親の努力で埋めた物語の、第三部
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9.苦難や波乱万丈を体験できた顛末
息子たちの教育に心血を注いでいた私の育成計画は、おおむね順調に成功していた。けれども、それは、「会社員の家庭としては」という限定つきのものでもあった。
商売をやっている家の子は、商売をしている親の姿を日常的に見て、この世がどういうところかを自然に学んでいるはずだ。商売には上昇と下降がつきものだし、トラブルだって、次々に起こる。変わらない生活が当たり前の会社員の子は、経済が動く実感もなければ危機を見ることもない。いつ