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久しぶりにドラマ「不機嫌なジーン」を見た

・ケイゾク
・恋ノチカラ
・不機嫌なジーン
私の好きなドラマベスト3だ。
週末暇だったので「不機嫌なジーン」を久しぶりに見た。

内容は、動物行動学を研究している大学院生の蒼井ヨシコ(竹内結子)と、元カレであり有名な学者である南原教授(内野聖陽)とのラブストーリー。

放送当時は若かったから、内野聖陽さん演じる南原教授かっこいいー!好きー!という視点でしか見てなかった。

いま見ると、なかなか攻めた内容のドラマだと思う。
ラブストーリーがメインにはあるけど、生物学の豆知識が挟まれたり、また二人の周辺にある様々な問題(環境問題や派閥争い、そして女性の働き方など)にもしっかり焦点を当ててきている。
重いテーマも扱ってるけど終始テンポは軽い。

ストーリーの中で何度も、人間の「無駄に考える行為」に対して、その他生物のシンプルな生き方を対比に持ってきて皮肉めいた台詞を投げかけてくるのが面白い。
例えば「他の動物はシンプルだよ。異姓を見つけて、交尾して子供を産む。他の動物は器用に生きているのに、どうして脳が一番発達している人間がこんなにも不器用なんだろう。」みたいな調子だ。

何よりこのドラマはラストが衝撃的。
愛し合ってる二人が別れの決断を下すのです。結婚の約束までしてたのに。
放送当時の私は全然理解できなかった。なんで?なんでよ!?って。好きだった分ショックで当分の間引きずってたw

でも、それなりに働き続けてきた今改めて見ると、ヨシコの出した結論は理解できる。
研究が楽しくて楽しくて、いま結婚して教授についていくと、といつかきっと後悔してしまう…だから行けない…。と言うヨシコ。分かるよヨシコ。
ヨシコの年齢が27歳というのも絶妙。
これが30代だったら、たぶん結婚を選んだんじゃないかな。

南原教授の気持ちもすごく分かる。どんどん研究者として成長して自分に追いつく勢いのヨシコ。愛しているが故繋ぎ止めたいけど、有能な研究者としての未来を潰してしまうのでは…という葛藤。

別れのシーンでの台詞「人間になんて生まれてこなければよかった。こんな思いをするくらいなら。」がズーンと響く。
人間ってなんて複雑で面倒臭いんだろう。

女性が自分の仕事を楽しみながらバリバリ働いていると、恋愛や結婚はやはり遠のいてしまうんだろうか。女性に限らずかもしれないけど。
怖いなあ…。ある種呪いのようなドラマ。
(製作側はそんな意図ないだろうけど。)

ドラマの中でずっと人間の無駄に考える行為を皮肉っていたけど、それについて最終回のラスト、こんな台詞で締めくくられる。
「他の動物のように遺伝子を残すことだけを考えていればいいのに、人間は無駄なことばかり考えてしまう。
辛くて、悲しくて、嬉しくて…、でももしかしたらそんな無駄なところに何か宝物があるのかもしれない。なーんて思ってるんですけど、どうなんでしょうね?」

人間って面倒臭いけどそこが楽しいんだよね、という人間賛歌。
軽いテンポのドラマなのに、深い…。
こういった考察をしてみて、よりこのドラマが好きになった。

また時間をおいて見てみよう。
その時は感じ方がまた変わるのかもしれない。楽しみだ。

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