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顧客からカネをとらないのは顧客に損をさせることになる

IT企業にもいろいろな種類の仕事がある。

システムを開発することもあれば、システム導入までのコンサルを
行うこともある。
そのほかにシステムが安定稼働するように運用保守を行うこともある。

どれもそのサービスの対価としてカネを顧客から頂くことになる。
しかし、カネの交渉が苦手というか、嫌いな社員も中にはいる。

交渉が下手なのはスキルの問題なので別問題だが、顧客からカネを頂くことを申し訳ないと思ってしまうのはそれより大きな問題だ。

カネの話をすると顧客に面倒な印象を与えると思い、
気が進まなないのかもしれない。
また、自分の給料に直結するわけではない、あくまで会社のカネのため
そのような話はやりたくないのかもしれない。

一見、顧客からカネをとらないのは顧客から見ると
安くて良い取引先
に見えるかもしれない。

だが、実際はそうではないことがある。

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1つめは安い金額の場合、社員やパートナーが疲弊するということだ。
例えば、仕事内容に差はなく給料が高い会社と低い会社のどちらで働きたいだろうか?まちがいなく前者である。

ただ、顧客から頂くカネが少ないということは結果的に支払いに反映する
自分の給料が少なくなるだけならまだしも、協力会社など
一緒に働いてくれる他社の方に支払う契約額も抑えざるをえない。

赤字になってまでサービスを提供することは営利企業では
ありえないからだ。

そのため、顧客と金額交渉をしないとどうなるかというと、
優秀な人が転職したり、協力会社が別の顧客に流れたりして
チームからどんどん離れてしまう

結果として品質が低下したり、場合によってはサービスを維持することができなくなる。

特に昨今は人手不足となっており、IT業界は特に人の調達が難しい。
また、リモートワークで勤務場所のハードルも高くなっており
人材の流動性もより高くなっている。

ある程度の単価を出さないと新規に人は調達できないし、
今のメンバーにも還元しないと流出が止められない。

そのような品質低下やサービス維持が不可能になるリスクを抱えること
顧客が求めているだろうか?

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2つ目は社内への影響力が低下することだ。

儲かっている取引先A社とあまり儲かっていない取引先B社の2社が
自社の顧客とする。
金額以外の要素として将来性などに大差がない場合、会社はAとBのどちらを
優先してリソースを投資するだろうか?

間違いなく儲かっているA社であろう。

例えば、A社とB社の両方からシステム開発の依頼を受けた際に
社内のリソースが両方対応できないとなった場合はどちらを選ぶだろうか?
また、システムのトラブルが同時期に発生した場合にはどちらを
選ぶだろうか?

どちらかを選ばないといけないとなると会社の判断はAとなる。


いざというとき自分の担当している顧客を会社の方針で見捨ること
なるのだ。

自分の担当する顧客を大切にしており、関係を維持したいのであれば
そのようにならないよう、自社の中で影響力を持っておく必要がある。

影響力とはやはり売上額や利益の大きさによる数字によるところが大きい。

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いっておくが、これは顧客からカネをボッタくってよいという話ではない。

ただ、コストやサービスに見合った売上・利益をだすことを無視すると
関係は長続きできないということである。

また、いざというときにその顧客の希望をかなえることもできない。

確かに安価で高サービスを提供することは悪いことではないが、
自社に利益を生まないのであればそれはただの自己満足に過ぎない。

そして顧客からカネを受け取ってこなかったツケは形を変えて
結局顧客が支払うこと
になるのである。


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