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朗読配信にお使いください

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私が書いた物語で、朗読配信にお使いいただける作品を集めています。 注意事項を守っていただければ、私への了承は必要ありません。
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#短編小説

※この物語はホラー要素・怪談要素が含まれます。苦手な方はご遠慮ください。  八月も終わり…

原田龍一
2週間前
9

彼方の図書室

 残暑が厳しい秋の薄く霞んだ青空に、緋色の孔雀が飛んでいる。  私は鉄筋コンクリート造の…

原田龍一
3週間前
7

餞(はなむけ)

※この物語はホラー要素・怪談要素が含まれます。苦手な方はご遠慮ください。  久しぶりに会…

原田龍一
1か月前
12

門の向こう

   1  こんな夢を見た。  私はリュックサックを背負って、たまに行く神社にいた。これ…

原田龍一
1か月前
19

ねがいだけ

まえがき-本編だけ読みたい方は飛ばして下さい  私は50歳をちょっと過ぎたおっさんだ。  …

原田龍一
3か月前
29

四月の雨

 カーテンを開けるとくもりガラスの向こうは灰色だった。  二重サッシの内側を開けると、窓…

原田龍一
5か月前
21

もういちど一緒に。それだけ。

 霞がかつた青空に、斑のような雲。  先週降り積もった雪はすつかり溶け、春のような陽気が三日続いています。林檎も木蓮もすつかり葉を落とし、木蓮の枝には白く短い毛に覆われた冬芽が出ていました。春に綺麗に咲いていた紫陽花は花も葉も枝も全てが焦茶色に染まつています。  黒のロングコートのポケットに入れてきた手袋は必要なさそうです。  車も自転車も歩行者も少く、時折見かけるだけ。自転車に乗ろうかと思いましたが、なんとなく歩きたい気分で買い物も少ないこともあり、散歩がてら外に出ました。

人生を映す走馬灯

   1 「おい、走馬灯って知ってるか」  高校時代からの友人が言った。  土曜日の夜の居…

原田龍一
11か月前
20

夢のあとさき

 雲ひとつない初夏の青空。これから来る夏への理由のない期待。時折そよぐ風。梅雨明けの土曜…

原田龍一
1年前
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雨の図書館

はじめに この物語はstand.fmで配信していらっしゃる漫画家の緒方しろさんの収録『雨の図書館…

原田龍一
1年前
16

続く日々

 今日で17歳が終わる。  そんな事を考えながら、教科書から目を上げ、なんとなく窓の外を見…

原田龍一
1年前
14

アフタートーク

 アクリル板で仕切られた4人がけのボックス席に僕たちは座った。  僕の隣にリンが、僕の向か…

原田龍一
2年前
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あの夏の神社とおばあちゃん

   1  久しぶりに山の絵を描きたいと思ったのが、そもそものはじまりだった。  本業で…

原田龍一
2年前
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月虹 後編

※ひとつ前の記事に前編があります     5  男性が差してくれる傘の中に入るのは何年ぶりだろうと思いながら歩いているとコンビニに着きました。  お互いに傘に当たる雨の音を聞いているだけで、会話はありませんでした。  男性はすぐに買い物を済ませ、入口近くでコーヒーマシーンにカップを置いていました。  私は傘を手にして、奥に進み、ハンドタオルを二枚手に取り、レジでコーヒーも注文しました。  久しぶりに大雨に打たれてずぶ濡れになりたい気分になったんだよと言った男性の言葉が残って