俺たちはまだ付き合っては、ない。
自分より柔らかい髪が顔にあたって、擽ったくて思わず目を開けた。
「はよ」
昨日の夜にコンビニで追加して買った桃の缶チューハイが足元で転がっていた。
「おはよーーー」
思ったより近い距離だったのだろう、少し前田はベッドの端に寄った。
「履修決めた?」
「いや、まだ決めてない」
「ちなみに締切は今日の12時までだけどそれはご存知ですか?」
「えぇ、そうなの?」
慌てて彼女はスマホを手に取る。
時計の針は10時34分を刺していた。
しばらくスマホにかじりつくのを察して、俺は先にベ