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Tsubasa.個展「SWAY」開催中!

今回も気まぐれで展覧会解説


現在開催中のTsubasa. 個展「SWAY」の紹介です。


先日ギャラリーにてトークを配信致しました。今回はそちらで聞いたお話のまとめを中心にご紹介します。先日のトークのアーカイブも残しているので是非そちらもご覧ください。


アトリエ三月ではジャンルにこだわらず様々な作家やアーティストの展覧会を企画していますが、今回のtsubasa.は"ライブペインター"としてキャリアをスタートさせたというところが面白いところです

他の人よりも少し遅めに専門学校へ入学し絵の勉強を始めました。

彼曰く、青年時代から音楽やバンドへの憧れがあったが自分が直接的に音楽と関わることができず絵を描く事により音楽と関わりたいと強く思ったことが絵を描き始めたきっかけでした。


その彼にとってライブペイントという表現方法を選んだのは必然的だったのでしょう。

ライブペイントと通常の作品制作とでは、その過程に違いがあります。

一口にライブペイントといっても人や場所、イベントにより描く時間も大きさも様々ですがその場所と時間に縛られた終わりと始まりがあり、アトリエや家で制作するのとは大きく違い制限があります。

一般的なライブペイントではその過程にエンタメ性を求められます。

なので完成した作品を見てもらうより、作家がどのようにして絵を完成させていくかが重要になってしまうのですね。

これはちょっと実際にライブペントを見てもらわないとなかなか口では説明しにくいですね。


で、Tsubasa.の場合、通常のライブペイントによる作品は一定の時間内に終わらせることが求められるので自分が納得したかが作品のゴール地点になりません(多分早めに描き終わった場合など、なる場合もあるんだろうけど一旦、)。

そこで個展など、展示のための作品を描くとなるとライブペイントで求められている時間の制約がなくなります。


ここで面白いのが、彼は、展示ごとに旧作、つまり売れなかった作品に手を加え続けます。

つまり展示に出展することで作品は一旦そこで完成を迎えますが、また再び自分の手元に戻ってくると手を加えるんですね。つまり下手したら永遠に手を加え続けることもできる。

なんだかバンドマンがライブごとに同じ曲を演奏しても僕たちは感動し続けることと似ているような気がしました。

彼は普段制約の多いライブペイントというステージで作品を作る一方で自身の作品はいつまでも終わらない作品を制作し続けているんですね。


彼の作品は音楽のように脈動感があり、SNSのハッシュタグから収集した現代を生きる女性達をモチーフに、その画面の中を飛び回る抽象的な幾何学模様は私たちを取り巻く生活音であり、スマホから発信される享受しようにも仕切れない膨大な情報量が溢れ出しているようなイメージを受けました。

しかめっ面をしながらも今を生きる力強い女性像です。


アトリエ三月では久々の一階二階丸々使用した展覧会となります。


この機会にぜひお越しください。


大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。