ベンジーが好きになった話
学生時代はサブカルクソ野郎でした。
浅野いにおの短編を本棚に並べて、倉橋ヨエコをヘッドフォンで流して、黒縁の眼鏡をして、タイパンツ履いて。サブカルなのか?
勿論椎名林檎もめちゃめちゃ聴いてたわけですが、私にとって『ベンジー』は椎名林檎の世界のなんかめちゃくちゃアンニュイなイケメン王子様で、無精髭に袈裟を着てタバコ咥えてギター片手にやって来て殴る男、みたいな。
その後、サブカル時代を過ぎた私にとって『BLANKEY JET CITY』はいわゆるジェッタシーなイメージが強かった。
ブランキー自体は通っておらず、後藤のパロでブランキーを認識していた。
そして夫と付き合って結婚した今。
夫がたまたまその時期聴いていた『赤いタンバリン』に、初めは「そのタンバリン叩く女の歌やめてw」って半笑いだったんですけど、夫に「この赤いタンバリンさー、心臓の鼓動なんだって。ベンジーが子どもが生まれた時に作った曲らしい。」という話を聞いて一気に大好きになりました。
ベンジーの娘に対するとてもとても愛おしい気持ちが、生きているだけで、そこにいるだけで泣きたくなるぐらい嬉しい気持ちが、夕方のオレンジ色の中眠る我が子を抱きながら感じるあの気持ちが。
ベンジーもそれを感じて、赤いタンバリンに見立てて曲にしたというのがとてもエモーショナルでロッカーとしての娘の誕生の喜び方として完璧すぎた。
聴いたことがない方はぜひ一聴を。
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