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【ガチ解説】ルカメタザシアン全解剖Ⅱ

 皆様ご無沙汰しております。はら(Twitter@hara_03_08)です。今回も「ルカメタザシアン」デッキの解説記事になります。
※この記事では一部略称を用いることがあります(「ルカリオ&メルメタルGX」⇒「ルカメタ」等)。また、この記事は現行レギュレーションに於けるカードプールをある程度理解されている方向けとなります。その為、各カードの効果やデッキタイプに関する解説は省きます。予めご了承願います。

 さて、昨年投稿しました「【ガチ解説】ルカメタザシアン全解剖」では、非常に多くの皆様にご購読頂きました。改めましてありがとうございました。この投稿から約1年、レギュレーション変更や強力な新カード達の登場を経て、あらゆるアーキタイプが結果を残している群雄割拠の環境となっております。今回の記事では、そんな群雄割拠の環境の中、未だに現役で戦う事が出来る「ルカメタザシアン」デッキについて、現環境(25th ANNIVERSARY COLLECTION迄)に於ける構築の解説、及び「ルカメタザシアン」の使い方、対「ルカメタザシアン」で意識する事柄を中心にまとめました。

 また、本記事では特に"「ルカメタザシアン」を使ってみたい方"や、"「ルカメタザシアン」を対策したい方"をターゲットに執筆しました。「ルカメタ」プレイヤーの皆様にもご納得頂けるような内容にしたつもりですが、普段からこのデッキを使用されている方々にとっては、当たり前な内容も多く、少し退屈かもしれません。予めご了承ください。

 今回は大型大会前ではなく、かつレギュレーション変更が迫った中での記事となります。しかし、非常に内容が濃く(したつもりです)、全文無料公開は流石に「ルカメタ」プレイヤーの皆様に怒られると感じたため、有料とさせて頂きました。ご了承ください。なお、無料部分でも大ボリュームですので、ぜひお付き合いください。

0.初めに

 初めに、今回この記事を執筆するに至ったきっかけが2つあります。

 1つ目は「ルカリオ&メルメタルGX」のレギュレーション落ちが発表されたためです(詳しくは公式情報をご確認ください)。筆者自身はシティリーグシーズン4までが終了しました。シティリーグシーズン5以降はレギュレーション変更により「ルカメタ」が使用出来なくなるため、それまでに自身が培ってきたことを記事に残したいと考え執筆しました。

 2つ目に「ルカメタザシアン」というアーキタイプに対し、「使い方が分からない」や「戦い方が慣れていない」、「耐久デッキで時間が掛かる」等のネガティブな意見を非常に多く耳にするためです。この記事を通し、少しでも多くの方の"ネガティブなイメージ"を払拭して欲しいという想いで執筆しました。

 「解説記事です!」と豪語するものの、筆者自身に多少の実績が無ければ記事の説得力がありません。そこで先ずは、筆者が「ルカメタザシアン」デッキを使用した際の大会実績について簡単に紹介します。

・横浜CL2021:2-3ドロップ
・シティリーグ2021シーズン1:予選4-0⇒ベスト8
・シティリーグ2021シーズン3:予選4-0⇒優勝
・シティリーグ2021シーズン4:予選3-1⇒ベスト8
※シティリーグ2021シーズン2では別のデッキを使用しました。また、横浜CL2020以降の大型大会は何れも優先権無し、全て抽選落ちです。

 上記の通り、トナメ1没2回が目立ちますが、シティリーグ全体での勝率はそこまで悪くありませんので、一般的な「ルカメタザシアン」の解説は出来る人間だと自負しております。しかし、大型大会で結果を残したプレイヤーではないため、有名な方のような凄い情報(抽象的ですみません)をお伝えすることは出来ません。あくまで、長期間「ルカメタザシアン」を使用した一般プレイヤーが、どのような考えを持っているのかが分かる記事、として捉えて頂けると幸いです。

 前置きが長くなりましたが、ここから解説に移りたいと思います。

1.必須カード解説

 現環境に於ける一般的な構築のベースを紹介します。

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 所謂「リーリエのピッピ人形」を採用した「タッグコール」軸の構築フォーマットです。Bレギュレーション落ち以降は、このタイプの「ルカメタザシアン」が結果を残し続けています。上記レシピのフェアリーエネルギー部分が一般的な自由枠です。この構築をベースに、環境毎に必要なカードを採用します。

 ここでは、必須カードの採用理由を解説してゆきます。カード名横の【】内が、多くの構築に採用されている最低限の枚数です。
(以下常態)

・ルカリオ&メルメタルGX【2】
 現環境ではGXワザを使用する対面が多く、サイド落ちを考慮して2枚の採用。2枚目はタッグサポートの手札コストになることがほとんどであるが、「やまびこホーン」が採用されているであろうデッキに対しては、無闇にトラッシュに送るのは厳禁。

・ザシアンV【3】
 ドローソース兼アタッカー。単体性能最強のVポケモン。各対面で最低1枚、多くの対面で2枚使用するため、サイド落ちを考慮して3枚採用が多い。4枚目は自由枠候補。

・ザマゼンタV【2】
 対Vmax時の壁兼アタッカー。「連撃ウーラオス」環境に比べ、現環境ではこのカードの使用機会が減っている。しかしミュウVmaxを始めとするVmaxメインのデッキには未だ脅威となり、それらを相手にする際は最低1枚使用するため、サイド落ちを考慮して2枚採用が多い。3枚目採用は自由枠候補。

・タッグコール【4】
 強力なサーチ枠。序盤から終盤まで使用する。このデッキタイプに於いて4枚から減らす理由が見当たらない。

・メタルソーサー【2】
 アタッカー復帰用の札。3枚目及び4枚目は自由枠候補。メタルソーサーの枚数を増やすほどアタッカーの準備がし易く"前のめり"な構築となるが、序盤は腐りやすくバランスが難しい。3枚採用の構築が多い。

・ポケモン入れ替え【3】
 「ザシアンV」をアタッカーとして採用する以上、ワザ「ブレイブキャリバー」のデメリット考慮で入れ替え札は必須。後述する「リーリエのピッピ人形」を壁にするために使用する場面も多い。4枚目は自由枠候補。

・ツールスクラッパー【1】
 相手の「ふうせん」「タフネスマント」「大きなおまもり」を剥がすのが主な役割となる。「グズマ&ハラ」からサーチ出来る「ツールジャマー」も採用候補だが、不採用理由は後述とする。「タフネスマント」や「大きなおまもり」が付いたVポケモンは「ザシアンV」の一撃で倒せない。この場合、先にワザ「ブレイブキャリバー」を当てておき、「ツールスクラッパー」を引き込めたタイミングで使用しながら一気にサイドを取るプランも有効である。複数枚あれば強いが枠は厳しく、仮に入れる場合は代わりに「グズマ&ハラ」でサーチ可能な「ツールジャマー」や「くちたけん」も候補。

・リーリエのピッピ人形【2】
 「マオ&スイレン」の逃げ先や、特性「ふとうのつるぎ」による盤面形成までの壁役。ベンチに置いておくだけで「ザシアンV」が逃げる⇒「ピッピ人形」をバトル場へ⇒「リーリエのピッピ人形」の効果でデッキボトム⇒「ザシアンV」をバトル場に、の流れにより、ワザ「ブレイブキャリバー」のデメリットを消すことも出来る。この戦法が可能なため、「ザシアンV」に貼るエネルギーは余剰でも無駄にならない。3枚目は自由枠候補。

・リセットスタンプ【1】
 終盤の捲り性能が高いデッキの為、捲りとシナジーの高いこのカードは非常に強力。2枚目は自由枠候補。2枚目があると序盤~中盤で雑に使用することが出来るのは強い。

・タフネスマント【2】
 「ザシアンV」及び「ザマゼンタV」に使用することで、ワザ「フルメタルウォールGX」の効果と併せ、Vmaxポケモン級の耐久性を得る。多くのワザの確定数をズラす働きがあるため、相手に合わせて使用するポケモンを見極める必要がある。3枚目は自由枠候補。

・マリィ【3】
 「マリィ」の採用枚数は使用者によって意見が分かれる。筆者としてはこちらのリソースを温存しながら相手の手札干渉が可能なため、複数枚を採用したい。「マリィ」を採用せずに自身の動きに特化する構築も見受けられる為、必須枚数を3枚としながらも、各々の使用感に寄るところが大きい。4枚目は自由枠候補。

・ボスの指令【4】
 デッキの性質上、相手の裏のポケモンを縛る、「ザマゼンタV」の驚異となるVポケモンを先に倒す、等の動きが必要なため、最大枚数が必須。他のアーキタイプと異なり、「ボスの指令」を引き込むための「デデンネGX」等のドローソースが無く、必要な場面で引き込むためにも、最大枚数の採用が有意義である。

・グズマ&ハラ【2】
 後攻1ターン目及び先行2ターン目に打つ頻度が一番高いサポート。「タッグコール」から「ルカメタ」と共にサーチし、「キャプチャーエネルギー」の手張りまで出来る動きが優秀。中盤以降でも「頂きへの雪道」の貼り替えに有効な札となるため、相手のデッキに「頂きへの雪道」が採用される可能性がある場合は安易に手札コストに出来ない。

・シロナ&カトレア【2】
 「タッグコール」から触れるドローソース。「ボスの指令」や「マオ&スイレン」の使い回しの他、各局面で手札を保持しつつ山札を縦引きする為にも有効。自由枠として採用するサポート次第では3枚目も候補に上がる。

・マオ&スイレン【2】
 「タッグコール」から触れる回復兼入れ替え札。回復無しの入れ替え効果も使用する機会は多い。ワザ「フルメタルウォールGX」効果と「結晶の洞窟」を併せることで驚異的な回復量を誇る。構築次第だが3枚目は自由枠候補。

・結晶の洞窟【2】
 このデッキに採用されているポケモン全てを毎ターン回復するチート級スタジアム。特性「クイックシューター」の実質無効化や、あらゆる打点の確定数調整が可能なため、採用しない理由が見当たらない。このスタジアムは相手の「三神」や「ゲノセクトV」に使用されることを忘れないように。他スタジアムとのバランス次第だが、多ければ多い程雑に使用出来て強い。3~4枚目は自由枠候補。

・基本はがねエネルギー【9】
 最近では11~12枚の採用も目立つ。枚数が増えれば増える程、特性「ふとうのつるぎ」によるエネルギー加速が成功し易い。現環境では特に「白馬バドレックス」戦などに於いて、このエネルギー加速要素が重要なため、デッキの自由枠はできる限り基本エネルギーの枚数に割きたい。

・キャプチャーエネルギー【2】
 「タッグコール」以外のポケモンサーチ札の採用が無いデッキのため、「グズマ&ハラ」から展開できるキャプチャーエネルギーは必須。「ザシアンV」に貼るエネルギーとしては弱く、序盤以外に使用する機会は限られるため、ほとんどのデッキがサイド落ち考慮の2枚採用まで。


 以下、【2.自由枠候補】の解説から有料となります。ここまでお読み頂きありがとうございました。ここまでの内容でご不明点ございましたら、筆者のTwitter(@hara_03_08)まで、お気軽にご連絡下さい。Twitterやnoteのフォローもお待ちしております。

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