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法律は、数式である。

タケル、32歳。某国立大学法学部在学中(予備試験と)司法試験に合格。司法修習を経て、裁判官に任官。
ルミ、32歳。タケルと同じ某国立大学法学部卒業後、某大手有名メーカーに就職(総合職)。
タケルは、今日、大学の友人ルミに呼び出され、仕事終わりに一緒に飲む予定である。

現在、タケルは横浜駅西口でルミが来るのを待っている。
ルミ「ごめんー、待った?」
タケル「いや。」
ルミ「会社出ようと思ったらさ、同僚に呼び止められて…」
タケル「いいよ。そんじゃ、行くか。」
ルミ「お店どうする?決めてる?」
タケル「(もちろん候補は考えてあるけど、どーせ行きたいとこあるんでしょ。)決めてない。」
ルミ「えー決めといてよ。あの店行こう。気になってるお店があるんだ。川沿いの。」
タケル「いいね。」
ルミ「やったー!前から行きたかったんだー!」
数分後、お店に到着。
タケル「こんばんは。2人なんですが、川沿いの席空いてます?」
店員A「空いてますよ!どうぞ。」
ルミ「うわーすごいねー、気持ちいい!」
タケル「ほんとだ、いい感じだね。」
ルミ「ワイン飲もうよ!あとチーズ各種!」
タケル「いいねー。」

ルミ「おつかれー、かんぱーい!」
タケル「おつー!」
ルミ「今日タケルを呼んだのはさ、私、法務部に異動になって。」
タケル「え⁈まじ?」
ルミ「そう。で、法律のこと全然分からなくて… 法学部なんだけど。」
タケル「そうじゃん。笑」
ルミ「教えて。」
タケル「まかせろ。いきなり問題いくけどいい?」
ルミ「難しいのはやめてね。」
タケル「問題です。甲は日頃の不満を誰かにぶつけようと木刀を持ち繁華街から少し離れた路地を歩いていた。午後8時頃、甲は向かいから歩いてきた見ず知らずの乙にその木刀で1回殴りつけた。その後、乙は病院へ行き加療1週間の打撲傷と診断された。甲は何罪でしょう?」
ルミ「超簡単じゃん!そんなの私でもわかるよ。」
タケル「マジ?笑」
ルミ「傷害罪でしょ。」
タケル「正解!」
ルミ「なんか物足りなーい。」
タケル「なんで傷害罪なの?」
ルミ「だって甲は木刀で乙を殴って打撲傷を負わせてるじゃん。」
タケル「で?」
ルミ「で?って。違うの?」
タケル「うん。」

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