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LINEのユーザー名の変更で友人の結婚を知る

先日、友人が結婚したことを知った。

本人から報告の連絡が来たわけではない。

学生時代、ともに汗を流し、時にはぶつかり、お互い涙を見せ合ったこともある元チームメイト。
マネージャーになってからは、サポートするべき大切なプレイヤーのひとりだった彼女。

社会人になったタイミングが同じだったことから、何度かサシ飲みもする仲にもなった。学生時代はふたりで遊ぶことはなかったのに、大人になると不思議なことが起こる。

こじらせた恋愛の話や、職場であった話をしてるとあっという間に終電の時間になった。
わたしの人生で1番飲酒量が多かった時期に、付き合ってくれたひとりである。

友達思いでしっかり者。そう見えて繊細で弱い一面を持っている。楽しいことはだいすきだけど、ときどき寂しそうな、落ち着いた表情を見せる。

そんな彼女が結婚したらしい。

最近は丸っ切り連絡をとっておらず、どこでなにをしているのかもまったくわからない状況だった。
年に1-2回は集まっていた元チームメイトたちも、コロナ禍で疎遠になっていた。
数人とは連絡を取っていたけれど、その中に彼女の存在はなかった。

なんとなく、なんとなく気まずくなっていた。

わたしが元夫と同棲をしていたころ、彼女の地元の友達の集まりに呼んでくれたことがあった。お酒のチカラもあって、わたしはそのお友達たちとすぐに打ち解けて、何度か集まりに参加した。そのお友達のひとりの、とある男の子と仲良くなった。彼もわたしのことを気に入ってくれたのか、都合の良い女友達が欲しかったのか、いまとなっては真相はわからないけれど、いい雰囲気だったのは覚えてる。けれど結局その男の子とはとくに進展せず、わたしは元夫との同棲を続けた。男の子も食事には誘ってくれたけど、告白をされたわけではなかったので、うやむやなかんじで距離を置いた。
そんなわたしの対応が解せなかったんだろう、彼女が地元の集まりにわたしを呼ぶことは無くなった。思い返してみるとサシ飲みをすることもなくなっていたかも。大切な地元の友達をテキトーにあしらった人間だと思われたのだろうか。そうだったとしても半分くらいは事実なのでとくに言い訳はしないのだけど。
その1年後くらいに元チームメイトの集まりであったときに、久しぶりに再会した。
「○○くんのこと、怒ってる?気を悪くしたのならごめん。」
ほかの元チームメイトからしたらなんの会話かもわからなかっただろう。いきなり知らない男の名前が出てきて、ふたりが気まずそうにしているのだから。
「うん…もうべつになんとも思ってないよ」


その数年後、わたしは元夫と結婚した。
結婚の報告に、「おめでとう」の言葉をくれた。
元チームメイトたちと一緒にお祝いもしてくれた。結婚式にも参列してくれた。
ただ、ふたりで遊んでいたころの無邪気な表情はなく、どこか寂しそうな、落ち着いた表情の彼女がいた。彼女がなにを思っていたのか、はたまたなにも思っていなかったのか、わたしは知らない。

そんな彼女が結婚したらしい。
直接報告されることはなく、たまたまLINEの友達リストを眺めていたら、ユーザー名の姓が変わっていることに気付いた。

「報告もされていないのにこっちから連絡するなんてうざったいかな」
「もしかしたらSNSでみんなには報告してるのかも」
学生時代の友人とつながっていたSNSを削除しているので、わたしはみんなの近況をほとんど知ることがない。彼女ももしかしたら、結婚の報告をしていたのかもしれない。

丸1日悩んで、連絡をしてみることにした。
姓が変わっているだけだと、結婚したのか確定ではないから、「もしかしてご結婚かな?」と聞いてみた。これで返信が来なかったらそれで終わりにしようと思って。
悩みに悩んだ文章はとても回りくどく長ったらしく、「みんなのSNSも見れてないからこの連絡が空気読めてなかったらごめんなさい」なんて言葉もつけてしまったりして。

半日して返事が届いた。
数年ぶりのやりとりに安心した。
入籍してからはすこし日が経っていたみたいで、そのことも含めて報告してくれた。
なのでおめでとうの言葉を送ることができた。
お互い、当たり障りのない文章を数通送り合っただけだったけど、それでも自分の言葉で彼女の幸せを喜ぶことができて、嬉しかった。

わたしは元夫とは離婚をしたけれどそれは関係なく、わたしが結婚したときにお祝いをしてくれている人たちには、同じようにお祝いをしたいと思っている。けれど、コロナ禍で疎遠になっていると同じようにすることもなかなか困難。けれどまた会えたときには精一杯の祝福の気持ちを贈りたい。
心からのおめでとうを。

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