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おじいちゃん ありがとう

今年の6月ごろから、祖父より電話がかかってくるようになった。

2週間に1回くらいの間隔で、平日の日中に電話が来るが、仕事中だから電話には出られない。
家に帰ってからも結局バタバタしていて、連絡を返せずにいた。

小さいころから、僕は祖父と話をするのことが好きだった。
だから、電話に出られないのは申し訳ないし残念に思っていた。
しかし、忙しさを理由にして、自分から電話をかけることはなかった。


よく電話がかかってくることを、母親に話すと
「最近、おじいちゃんスマホに変えて、間違えて電話かけちゃうんだって。だから気にしないで。」
ということだった。


6月から8月のあいだ、間違い電話はつづき、相変わらず電話に出られない日々はつづいた。
この時期は、仕事も忙しく、コピーを書く時間が取れなかったり、今後のキャリアについても悩んでいた。


良くない空気感をズルズルと引きずっていた8月下旬の日曜日の夜、祖父から電話があって、今回は話すことができた。


「いつも、間違い電話かけてごめんねー。」というところから始まり、最近の生活の話をした。
祖父と一緒に住んでいる、祖母も、叔母も、従妹も、元気だという話をきいた。
祖父の昔から変わらない声や話し方は、自分をすごく安心させてくれた。

電話の終わり際、祖父からある言葉をもらった。

「急いでえらくなろうなんて考えちゃだめだよ。
好きなことをじっくりやっていけばいいんだよ。
周りが10歩進んでいたって
2,3歩でも好きなことをやっていければいいじゃない。
人生は長いんだからね。身体に気を付けてがんばってね。」

祖父は今の自分の焦りや悩みを知らないはずなのに、その悩みに対して話をしてくれているようだった。
自分の倍以上の人生を生きてきた祖父は、生きることを通して経験したことを自分に話してくれたんだろうなぁと感じた。
偶然だったけど、このタイミングでこういう話をしてくれる祖父は、さすがだなぁと感心した。

この日以降、間違い電話は、ぱったりとなくなった。
もしかして、この言葉を祖父は僕に伝えたかったのかもしれないなぁと今になって思う。


今日は敬老の日ですね。
今日という日に、この内容のブログをかけて本当によかったと思います。

おじいちゃん、ありがとう。

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