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『ハチワレハッチャン ねこの道⑫』

薄紫色の孔雀草がきれいに咲いている。
気が付けば空が真っ赤に染まり、トンボが鬼ごっこしていた。
「うん、この辺見覚えある!」
男の子の足取りがぐんと軽くなった。
どうやら自分の家の近所まで来たようだ。
「にゃああお。なああおおお」
良かったよ。
これでお役御免かと、連れとそっと耳打ちしてから
帰ろうとしていた。

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