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『ことりのレストラン③』

翌日。
早速、兄弟は『スピンドンさんサヨナラパーティー』の準備に取り掛かりました。
長男から五男までは今日の大切なお客様のディナーの準備です。
飛ぶのが兄弟1早い六男パーパチが、森の奥の奥のうんと奥に住むフクロウ爺さんに
スピーチを頼むために会いに行きました。
おしゃべり上手な七男ピーピチが、森中の動物たちに
お知らせを届けに行きました。
ラペ担当の八男プープチが、スピンドンさんの大好きな赤いニンジンを買いに、
隣りの山の友達のウサギ農家さんを訪ねました。
「まあ、それじゃあ一番おいしいニンジンをあげなきゃね」
農家さんは獲れたての赤い宝石みたいなニンジンを下さいました。

秘密のサヨナラパーティーの作業はとても大変でした。
なぜかって?それはスピンドンさんにばれないようにするからです。
それじゃなくてもおしゃべりが大好きな動物たち。
ひとたび動物同士が出会えば、1~2時間は簡単に時間が過ぎてしまうのです。
楽しいことは全部しゃべりたくなってしまう彼らが、
イベントのことを内緒にしておくことほどこの世において辛いことはなかったのですから。
その証拠に、おしゃべりキツツキさんはストレスで、頭の隅が丸く小さく脱毛してしまうほどでした。
スピンドンさんに会うたびに計画のことを話してしまいそうになるのを
必死でこらえるのが、おやつを我慢するよりも苦しかったのです。
スピンドンさんは時折動物たちにじっと見つめられることが多くなり、
もしかしたら気味悪がっているかもしれません。

レストランのマスコット大木の『ツリーさん』も、みんなの様子を見て息が詰まりそうなのでした。

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