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【at10周年企画】at対談インタビューその❶「オフィスat誕生までの序章」

2023年よりじわりじわりと取材を続けてきた、オフィスat広報企画も、いよいよ創業者の寺島と阿部へのインタビューに辿り着きました。これまで、チームatのメンバーを、スタッフ→パートナーさん→クライアントさんと取材してきました。チームatメンバーの本音や強みが語られる中、ここからは、チームatの指揮を取るオフィスat社長の寺島みちこと専務の阿部博美が、創業当時から今を振り返り、全てを語ります。

atの2人の出会いのストーリー

ー「協業」の序幕

21世紀が開けたばかりの2003年、福岡で仕事をしていた阿部博美(a)は、広島に本社がある株式会社ハーストーリィ社へ転職。営業業務委託として、広島で働き始める。同時期、広島在住で同じくハーストーリィ社で外部ディレクターとして働いていた寺島みちこ(t)は、夫の転勤に伴う移住で広島から福岡へ転居、まだ出会う前の二人は期せずして入れ違いになる。ハーストーリィ社が当時からテレワークを導入していたことから、阿部は福岡に戻りテレワークで仕事を続け、一方の寺島もフリーで同じく福岡で仕事を続けていた。同社日野社長の紹介もあり、二人はその年の秋に、福岡で運命の出会いを果たす

お互い独立してそれぞれの仕事をこなしつつも、互いの得意分野を活かし、阿部が営業、寺島が企画クリエイティブ系という棲み分けで一緒にできる仕事が徐々に増えていく。寺島の産休を経ての2005年頃には、二人三脚、二人で協業しながら受託する仕事が軌道に乗り始める。

2005年の当時は、まさにネット時代の黎明期。自社のホームページを立ち上げたい、掲示板やメーリングリスト、コミュニティの立ち上げ、リサーチ依頼といった仕事が主だった。今となってはテレワークが普通だが、当時、オンラインを活用し自宅で仕事を回す「インターネットで仕事をする主婦」はかなり先進的な存在。メールや電話を活用し、全国のクリエイターと繋がって仕事をしていた当時の実績は、オフィスatが今も全国各地のクリエイターやリサーチャーとのネットワークを保持する強みの原点となっている。

2010年に一つの転機がやってくる・・・

「めきき倶楽部」の誕生ー社会に埋没していた女性たちの声が日の目を浴びる時代へ

2008年に阿部がハーストーリィ社を退社し再び独立。翌年の2009年、現クライアントでもあるパナソニック福岡ショールームさんから、「主婦の声を聞きたい」というリサーチプロジェクトのお仕事を頂く。翌年2010年、めきき倶楽部を産み出し、寺島と阿部が二人三脚で協業する本格的なお仕事が始動した。

このめきき倶楽部の立ち上げこそが、atの二人にとっての大きな転機となる。「女性の視点や声をプランに活かし、それを口コミで広げ、ファンコミュニティを作っていく」という流れを持った企画。寺島と阿部が二人でこれまで積み上げてきた実績のカタチそのものであり、それを実践することに対し、atの二人自身が面白さと手応えを感じ、その後徐々に仕事のオファーが増えていく。

当時、打ち合わせ中のatの二人
めきき倶楽部の打ち合わせ(右二人がat)

当時、主婦はどうしても社会の中で一段下に見られビジネスから切り離されたところで生きている感覚があった時代。atは当初からその層の声をビジネスの現場に取りいれ、マーケティング戦略を創り上げてきた。イベント主催などに関わり当事者となった主婦たちは、やがて自分たちにも社会を動かせる力があると気づき、社会もまた、主婦の力を評価する企業が増えていくようになる。エンドユーザーである消費者の声をパナソニックという大手企業が取り入れ、企業施策に活かされている「めきき倶楽部」の活動は、当時メディアからの反響も高かった。

メディアの取材を受けるめきき倶楽部
RKB「今日感テレビ」に主婦力プロデューサー(当時)の阿部が出演

その一方で、主婦でありながら、自身で組織を経営する人もいた。「おうち起業家」という名のNPO法人は、ある主婦が立ち上げた組織で、当時では珍しく3,000人程の会員を持ち、ハンドメイド作家やプチ企業家が大勢属しており、集客力に定評があった大きなママコミュニティ。めきき倶楽部はやがて、そのコミュティとコラボしていくようになる。パナソニックのショールームを、コミュニティの集まる場として無料で提供し、マルシェのような空間で盛り上がりを見せる。来場のついでにパナソニックのショールームにも足を運んでもらい、提供側はショールームへの来場者増加とPRが実現。双方にとってWin-Winの関係が実現。場のつながりからプロジェクトに広がりを持たせられた。

賑わうパナソニックショールーム来場者
主婦の力で盛り上がりを見せたイベント会場
面白いことを楽しくやる!モットーは当時から(中央二人がat)

女性たちを戦力化するプロジェクトが始動

ーベンツ社シュテルン販売ディーラーで実践

当時atが立ち上げたもう一つのプロジェクトに「女性社員戦略化プロジェクト」がある。その名の通り、女性社員を企業の戦略とするためのノウハウを提供していくこと。社会は当時から、女性たちを戦力化しないといけないと頭では分かってはいるものの、女性たち自身も会社の上司(当時は男性が大半)も皆、どう頑張ってどうしたらいいかわからなかった時代。そんな彼女たちにスキルアップ講座を提供し、マーケティングのノウハウを教え込むことで、企業の様々な課題が女性たちの新しい視点を盛り込むことで解決できる、一粒で二度美味しいプロジェクトとして、ニーズが高かった。

高級車販売代理店で行ったイベントでこの戦略を実践。「お客様は神様」が罷り通っていた時代に、お客様のニーズをより繊細に十分汲み取れるよう、女性社員を積極的に現場に登用した。お客様と近い距離感で、ざっくばらんにコミュニケーションが取れる女性社員たちに、マーケティングの基礎を教え企画を任せた。やがて、彼女たちから様々な新しい視点の企画が湧き、会社の予算も任せられるようになると、現場がどんどんイキイキとしていった。結果、販売店は賑やかで来客が増え、売り上げも向上するという好循環に。女性活躍で現場がより活性化する、手応えを感じたプロジェクトになった。

めきき倶楽部が始動し、女性戦略化プロジェクトの依頼も増え、はや10年を迎えた頃。二人は会社を法人化することを決意する。これまで一緒に動くことが多い中で、フリーランス同士の二枚看板の二人に、お客さん側が連絡を取る上での不便さもあった。そしてなにより、法人化することで女性たちの活躍の場を増やすことに寄与できればという想いが膨らんだことから、オフィスatが誕生する。

2014年「株式会社オフィスat」誕生へ


ロゴにある4つのスクエアは、4つの場づくり/2つの!/人と人の交差点/+の意識 を表しています。

「at対談インタビューその❷女性たちとマーケティング〜この10年の変遷〜」へ続く・・・



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