球数制限と21世紀枠

今回のnoteは高校野球。
センバツ出場高校が発表されましたね。
昨年明治神宮大会が行われなかった為、1枠余りが出ていましたが21世紀枠を4校にしたようです。
他にあるとしたら一昨年の明治神宮大会の優勝地区の東海地区が貰えるぐらいではありましたが、優勝チームと出場チームが違うためそれもどうなのか?という所ではありました。
どの地区にも一定の確率で枠がある21世紀枠の増枠は丸い選択だったと思います。
来年からは何も無ければまた3枠に戻るとは思いますが1つ思うところがあります。

センバツは基本的にタイブレーク制や今回の球数制限など選手権よりも前に導入し試験的な役割を度々します。
今年から導入される球数制限は1週間に500球を超えて投げることは出来ないというもの。
センバツは約2週間で決勝まで行います。決勝まで行くと約5回試合があります。高校野球の投手はプロほど制球が良くないため、1人で完投した場合150球を超えることはあります。延長に入れば尚更です。

ここで話は少し変わり21世紀枠選考の話へ
21世紀枠とは秋季県大会をベスト8〜16(県の出場校数により差があり)を勝ち抜いた高校のうち、進学校や色んなハンディキャップを持った高校を中心に県の高野連が代表校を1校決め、さらに各地区で更に1校決め、地区で決められた高校から高野連が3枠を決めセンバツ出場となる。
出場理由は毎年公表されており、
部員が少数
進学校
豪雪地帯
独自の練習方法
練習時間の短さ
離島や過疎化地域
被災地
等の理由がある。

この理由の中でも部員が少数、練習時間の短さで選ばれることが今後少なくなるのではないかと思う。というよりなって欲しい。理由は最初に述べた球数制限が出来るからである。
基本的に全国大会に出てくるような野球部は絶対的なエースがいたとしても、2番手3番手ピッチャーも強豪校と対戦しても何とか抑えられるぐらいのレベルがある所が多い。
甲子園での球数は野球界でよく指摘される事もあり、また実際に決勝まで1人で投げると1000球投げる投手もいることから、疲労等を考え2人以上投手をスカウトする高校や、練習試合でも色々な投手を投げさせたりと強豪校では様々な対策を行っている。
近年左右の二枚看板や140キロ越え〇名などはよく聞く話である。
ただこれは強豪校の話である。
21世紀枠に選ばれる高校は基本的に中堅校以下の高校が多く、春夏通じて初出場の高校も多い。
中堅校あたりなってくると絶対的なエースがいる高校ではどうしてもエースに頼りがちになる。
更には格上相手の試合となると勝つ時はロースコアになることが多く、中々ピッチャーを代えずらい。となってくると勝ち抜いた場合必要的に球数は増えてくる。
また仮に県大会ベスト8で21世紀枠によりセンバツに出場した場合、県大会ではコールド等があるためあまり球数を投げてこなかった投手がいきなり短期間で何百球とか投げることになるかもしれない。
さらに、強豪校は対戦相手が同等や格下ならば2番手ピッチャーを先発にすることがある。しかし21世紀枠同士で当たらない限りは基本的に格上との対戦になる為、エース温存はしにくい。
つまり勝ち上がった際、球数制限に引っかかってくるのは21世紀枠のチームであることが多いだろう。
ちなみに過去に21世紀枠のチームはベスト4が最高成績ではあるが、野球は基本的に大番狂わせが起こりやすいスポーツ。これから優勝するチームもないとは言いきれない。
21世紀枠のチームが勝ち上がって決勝になった場合、球数制限に引っかかりエースが投げられなくなり控え投手がストライク入らず、物凄くワンサイドゲームになる可能性がこれからは出てくる。
1回戦ではよく見ることではあるが、もし仮に決勝まで勝ち抜いた場合、高校のナンバーワンを決める大会の決勝で万全の状態で出れない高校があっていいのか?と思う。
それが勝負でありルールといえばそうなのかもしれないが…

球数制限に関してはまだまだ制限は厳しくなると思う。制限以外で球数問題を解決するとなれば、大会期間を長くするか、甲子園以外でも試合を行い試合を同時進行する等があると思うが、学業や高校野球の歴史から見るとそれは難しそうである。そうなった場合、2番手投手は必須になってくるだろう。しかし、選考理由で部員少数で出場した場合、単純に投手の数が足りなくなる。
練習時間の短さの場合は実戦経験等の浅さが出てくるため2番手投手が育てにくい。
以下の理由から今後選ばれることが少なくなっていくのでは無いのかと思う。最低でも2人は強豪校と戦っても試合にはなる投手がいる高校を選ばれるであろう。
というよりそうしないと、球数問題を解決する為に球数制限はしますがチーム作りは各自やってね!チーム作りが難しそうな高校も注目度あれば選ぶけど!
みたいなことが起こりうるため、ちゃんと考えて選んで欲しいところではある。


色々書いたが自分は21世紀枠は好きな部類の人である。被災地から選ばれると応援したくなるし、選手側からしてもワンチャン出られるかもしれない希望もある思うからである。
しかし、球数制限が選考しずらくなって行くのであれば校数を1校は減らすべきだと考える。
余った枠は選手権優勝地区が+1になればいいと思う。
選手権優勝チームは3年生が引退するため、地区大会出場チームが違うじゃないかと思うかもしれないが、選手権で決勝まで行ったチームが選手権の直後に県大会ということがざらにある。チーム作りのための練習時間が短く、また国体もあるためまだ完全に3年生が引退するわけではない。このように中々不利な条件で戦うこととなる。よって優勝したチームぐらいは何かしらの恩恵はあっていいんじゃないかと思う。
21世紀枠に関しても2枠なら東の西の1校ずつ選出すればちょうどよくなる。


最後に500球制限が近年で引っかかるのが吉田輝星である。
吉田輝星も選手権ではあるが金足農業決勝まで行き、投手がエース頼りの高校であった。
選手権後、日本代表に選ばれたが疲労によりほとんど投げなかった。
本人からはそのような言葉はなかったと思うが、投げたかったとは思うしプロに入ってからも当初は慎重な調整から入ったと思う。
過去には済美の安樂が決勝まで1人で投げ続け、とてつもない球数で様々な意見が出た。
その球数の影響かは分からないが高校の時に出した球速がプロで出ずらくなった印象がある。
21世紀枠ではこのような高校がよく出るので投手には気をつけて欲しいところである。
21世紀枠は勝たないだろうと思うのではなく、あくまで部活動で教育の一環ということを忘れず、常に最悪の場合を考えて高野連には色々選択して欲しいとこである。




























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