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荒ぶる魂。

たぶん、今の私はそんなに怒らないほうだと思う。

それでも、怒りという感情はゼロではありません。作品にふれることで、ふだん気づいていなかった感情が火山のマグマのように噴き上げてきて、自分でも驚くことがあります。

先日、連載は完結しましたが、原作マンガもアニメも大人気の『鬼滅の刃』

第1巻で、まだ鬼殺隊の剣士になる前の主人公・竈門炭次郎に、柱の冨岡義勇が言うセリフや、心のつぶやき。

「生殺与奪の権を、他人に握らせるな!!」「鬼どもがおまえの意志や願いを尊重してくれると思うなよ」「強く純粋な怒りは、手足を動かすための揺るぎない原動力になる」

また、最近読んだ、これまた人気マンガの『アクタージュ』11~12巻。詳しく書くとネタバレになってしまうので、おおまかに書きますと、こちらも怒りの感情がテーマの舞台になっています。

困ったことに、良い作品は心の深いところを揺り動かし、深いところにほとんど封印していた感情が噴き上げてきました。

今の私だと、個々人への怒りはそんなにありません。でも、もっと根源的な怒りを思い出してしまったのです。

こんなにも理不尽で残酷な世界に生まれ、消えていくしかないのか?

青年期に(人によっては幼少期に)こうした怒りを感じた人は少なくないと思います。

怒りやゆがみを、他人に押しつけるほうに流れてしまう人もいる。歳を重ねるごとに怒りが風化したり、上手にいなせるようになる人もいますね。

私の場合、もはや青年ではありません。なのに、根源的な怒りが今も残っていることに驚いてしまいました。

(アクタージュ「羅刹女」役のセリフ)

「ああ腹が立つ 腹が立つ この怒り どうしてくれよう」

荒ぶる魂を、どう鎮めたらよいのか。この世の宿題がひとつ増えてしまった気分でござるよ。


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