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トイレを怖がる「理由」とセンスメイキング理論

私の3歳の息子はなかなかトイレトレーニングを進めることができず、その理由を聞くと「トイレが怖い」というものでした。さらに慎重派の息子は「おしっこを失敗する」ことも怖かったようです。

初めてトイレに座るときは緊張で震えていましたが、少しずつ成功体験を積み重ねることで自信がつき、次第に恐れが薄れていきました。

最初は、パンツを履いてみることから始まりました。息子は「パンツは大人の履くものだ」と感じ、最初の一歩を踏み出すのにも勇気が必要でした。しかし、パンツを履くことに成功すると、次はトイレに触れてみることができました。

トイレに触れた後、息子は徐々にトイレに座ることができるようになりました。初めて座ったときの息子の顔には不安と緊張が見えましたが、その後も続けることで少しずつ慣れていきました。失敗もありましたが、それを乗り越えることで成功体験が増え、自信がついてきました

そして、ある日、息子は自分から進んでトイレに行くことができるようになりました。これは彼にとって大きな成長であり、成功の回数が増えることで恐れがなくなり、普通にトイレに行けるようになったのです。

まだ外のトイレは怖いという気持ちもありますが、それでも家の中では安心してトイレに行けるようになりました。

毎度のことながら、自己紹介しておきます。私はマーケティングコンサルタントとして、主に大手企業を対象に組織運営や事業開発の観点も交えながら、広告だけではないマーケティングの導入を実行しています。そんなことから経営や組織論に関して、実際の経験から様々な洞察があり、そこからnoteを書いています。

圧倒的な成果で安心させる

結論として、恐れを取り除くには「圧倒的な成果」が必要です。私の3歳の息子のトイレトレーニングの例でも、成功の回数が増えることで恐れがなくなり、普通にトイレに行けるようになりました。

昔からイライラするある現象

私は昔から以下のような人を見るたびにイライラしていました。

  • 体裁ばかり気にして、問題の本質から目を背ける人

  • 自分のプライドを守るために、問題解決を避ける人

  • 自分の存在価値を示すために、不要な赤入れをする人

  • 考えるのがめんどくさくなり、考えないことを正当化しようとする人

それぞれがそれぞれの理由でその行動を取るのは理解できます。しかし、これらの理由で色々と邪魔され、特に事業を進める際に、自分の立場を守るためだけに重箱の隅をつつくような質問をする取締役に遭遇すると、「マジでこいついらねえ。とっととやめろ」と思ってしまうこともありました。

彼らの行動の理由を知ってみる

相手を理解しようとすることで、なぜその人がそのような行動を取るのかを観察し、質問し、聞いてみます。すると、多くの場合、その行動の根底には「プライド」や「わかっていないことを悟られたくない」といったネガティブな動機があることが分かります。

プライドの問題

プライドが高い人は、自分が他人よりも優れていると感じたいという欲求が強く、これが原因で問題解決を避けることがあります。彼らは自分が間違っていることを認めることができず、結果として問題が放置されることになります。

知識の不足を隠す

多くの人が、自分が何かを知らないことを他人に知られたくないと感じます。このため、質問に対して曖昧な返答をしたり、話題を変えたりすることがよくあります。これも問題解決を妨げる要因となります。

恐れの克服

このようなスタンスになってしまう人の根底には、常に「恐れ」があります。地位を失う恐れや嫌われる恐れなどです。恐れを持った人は強く、その恐れから自分を守ろうとするパワーはすごいものがあります。そのため、交わそうとしてもうまくいかないですし、理解しても恐れは取り払うことができません。

恐れを取り除くための方法

恐れを取り除くためには、「正しさ」ではなく「安心感」が重要です。安心感のある状況であれば、人は素直に物事を受け入れられるようになります。

私自身、以前は「自分は正しいことをしているのだから、それで進めばよい」という考えを持っていました。しかし、「安心感とか関係なくて、怖くてもやるべきことはやるべきだ!」というスタンスでは、本当に進めることはできません。

センスメイキング理論と納得感

経営学の「センスメイキング理論」では「Plausibility」(納得感、腹落ち)が重要であるとされています。つまり、人は納得しないと本来の力をもって物事に取り組めないのです。この理論の観点からも、「恐れ」の取り除きは重要です。

圧倒的な成果がもたらす影響

恐れが行動の基準を決めてしまっている人たちから恐れを取り除くには、安心感が必要です。一番の安心は自分自身の経験です。つまり、自分で挑戦し、失敗し、経験を得ることで安心感は生まれます。

しかし、新しいことを始めることを躊躇う人はいつまで経っても、安心するための成果を自分で獲得することはできません。

もちろん自分だけが動き、自分が納得し、自分にとっての成果だけを追求するだけであれば薄氷の勝利でも良いかもしれませんが、ここからさらに周りにいる人を安心させるというタスクが加わったときに、自分が圧倒的な成果を出す必要が出てきます。

子供のころにテストで80点でも親が安心してくれなかったことはありませんか?他人が安心するって、相当盤石じゃないと安心してくれないというのは、まさにこのことなのかなと思っています。

マネジメントへの応用

マネジメントでは、常に上記のような問題に直面することが多いです。そのときに何に立ち返るべきかというと、「他人と過去は変えられない」という事実を前にした時、自分が圧倒的な成果を出すことでしか安心感を生み出せないという事実を理解しておく必要があります。

終わりに

ぶっちゃけた話、この事実に気づいたとき、「あー、また厳しいほうの理論に気づいてしまった」と後悔しました。ほんとはのんびり生きたいのですが、それでもなお、前に進む必要がある以上、身につけなければいけない能力であり、考え方であるのは間違いないと思いました。

少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

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