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幸せを科学する、Happiness techを目指して【前編】

"一人ひとりの能力が活きる社会を実現する"というビジョンを掲げ、企業向けの教育研修やキャリア研修を手掛ける会社Happiness insight LLC.を立ち上げた津田 恵子さん。長期的目標として「Happiness tech=幸せを科学する」を確立させたいと話してくださいました。その原動力となった体験、働くうえで信じているという性善説、そしてそれを信じる理由などについて伺いました。

津田恵子さんのご紹介

Happiness insight LLC. CEO
津田 恵子(つだ けいこ)

津田 恵子(Tsuda Keiko)

8月1日生まれ、3児の母。
愛知県私立滝高校卒業後、早稲田大学法学部進学。
株式会社リクルートスタッフィングにて人事採用業務2年半後、伊藤忠人事総務サービス株式会社にてグループ会社向け採用OSを5年、伊藤忠商事向け研修企画・運営に7年従事。
転職だけでなく、妊娠→産休・育休、保活(職場復帰に向けての保育園を探す活動)をすべて経験。日本の働く人を応援し、ともに成長すべく、2019年8月よりフリーランスとして活動開始。同年9月Happiness insight LLC設立。
ベンチャー稲門会会員、2021年4月〜早稲田ビジネススクール(MBA)
本ゼミ→伊藤秀史ゼミ(人材・組織、経済)所属
サブゼミ→入山章栄ゼミ(経営戦略、グローバル経営)所属

原体験を元に起業、性善説でのビジネスを大切にしたい 

荒井:では早速ですが、簡単に自己紹介をお願い出来ますでしょうか。

津田:津田恵子と申します。大学卒業後、新卒でリクルートスタッフィングというリクルートグループの人材派遣の会社に入りまして、約2年半、人事部採用教育課というところで主に新卒採用と契約社員の採用業務をやっていました。

そのあと、伊藤忠人事総務サービス株式会社に15年ほどいまして、前半が伊藤忠グループ企業の採用アウトソーシングの事業、後半は伊藤忠商事の社員向けの研修企画と運営の仕事をしました。
その間に3回の産休・育休と復帰を経験し、40歳になる時期にキャリアを見つめなおして、結構勇気がいりましたが退職しました。

それまでが恵まれた環境だっただけに、子供を3人抱えながら転職してすぐに同じような働き方を・・・というのははちょっと難しいだろうなと思いました。それでいろいろ思い悩んだ結果、一度自分でやってみようと独立したのが2019年の夏でした。
2019年の9月、自分の経験も元に、"幸せに働く"ということの追求をテーマに自分の会社Happiness insight LLC.を立ち上げて、今3期目に無事入りました。

起業して目指すのは、"幸せを科学する" ことで、ハピネスの単位を生み出すこと!!

荒井:具体的には、どんな事業をされていらっしゃるんですか?

津田:事業内容としては大きく3つありまして。まずは教育研修の事業です。自分で研修をつくったり、研修講師としてキャリア系のことを教えたり、ものによってはロジカルシンキングなどに触れることもあります。メインとなるのはミドルシニアの方で、40代50代の方向けのキャリア研修をメインとした教育研修事業です。
次に、RPO(Recruitment Process Outsourcing)の事業です。ひとつ目の事業はミドルシニアの教育なので大手企業が顧客になるんですが、こちらの事業ではスタートアップやベンチャー企業を相手に展開しています。今年の2月に新しく立ち上げて、少しずつ売上げが立ってきたという感じですね。

最後が、一番やりたいHappiness techです。恐らく、皆さんもすごく興味があると思うんが、"幸せを科学する" ということをやりたくて。
ハピネスっていろんな概念があって、学術的な捉え方にも、もちろん個人の受け取り方にもさまざまな見解があります。私は、自分なりのハピネスの定義をして、何らかの形でそれを測定可能にして、再現性があるようなものにしたいなと思っています。そのためには測定の知識や心理学的なエッセンスなど、いろんなものが必要になってくると思うんですけど、最終的には何かしらの形で自社のプロダクトに落とし込んで、たくさんの人に提供したいと考えています。

荒井:"幸せに働く"ということへの関心は近年高まってますね。

津田:最近では、アメリカの会計基準において人的資本の開示へ動き始めていますよね。日本企業も遅かれ早かれ、自分の会社の企業価値を出す際に、財務以外の指標として、人的資本をどんどん開示していくという時代がやって来る気がします。人的資本による企業価値の高さに投資される、という時代が来るのではと。そこに、私たちがつくったハピネスの単位というものを出せるようにできたらいいなと思っているのですが、開発にもお金がかかります。まずは2つの事業をやりながら、今通っている大学院でのアカデミックなエッセンスも入れつつ、約2年間ぐらいかけて調査研究していくイメージです!心理学やコーチングの視点からの先行研究は多く、私は行動経済学のアプローチで幸せな働き方について考えてみたいと思っています。

社会構造が生み出す「幸せに働く」ことへの難しさを、自分らしくいられる場所を自分で作ることで乗り越える

荒井:調査研究が楽しみです・・!
2社経験されて独立、育休や産休と色々な体験をされた津田さんですが、これまでを振り返ってどんな気づきがありましたか?感じた事なども教えてください。

津田:そうですね。1社目はリクルートのカルチャーだったというのもあって、完全に男女平等だったんですが、2社目の商社の社風としては、どちらかというと男性中心の社会が根強い感じでした。商社に限らず他の会社もそうだと思いますが、男性と全く同じ働き方ができる人はいらっしゃるんですが、やはりそれを子供2人3人いる状態では難しいなと思いました。

荒井:たしかに。出産などを経ると、どうしても働き方に影響は出ますよね。

津田:私は、幸せに働くことの定義って自分らしくいられること、その強みを発揮できたりとか、自然体で働いていられる事かなと思っています。でも、それがどうしても難しくなることもありますよね。それは会社が悪いとかではなく、やむを得えないと言いますか、社会の構造が大きいかと思っています。"自分で自分らしくいられる場所を作れたら良いな"と思うようになったのが、今の原体験になっている気がします。
ただ本当に、3回の産休や育休など、キャリアを途切れさせずに15年も働かせてもらったというのは何よりも感謝していることですね。

ビジネスをする上では、常に性善説を追求

荒井:その原体験を経て、3期を迎える企業を経営されているわけですね。津田さん自身が "自分らしくある"ということを大切にされている中で、意識されてることや力を入れている取り組みはありますか?

津田:私は常々、ビジネスをする上では性善説でやるということをしています。やっぱりHRは性善説じゃなきゃだめだと思うんですね。もちろん、物事に対しては常に性善説な反応と性悪説な反応があって、両方の面で見なきゃいけないとは分かっています。でも少なくとも、自分が変化をつくるときや、お客様に提供するとき、自分が人事として社員に接するときは性善説を信じています。社員を信じるような気持ちがないと、性悪説的なことって頭にあると、ぽろっと表面に出ちゃうと思うんですよね。
そうすると、社員側は気づくじゃないですか。やっぱり人員削減したいんだなとか、そういう風に思われちゃうから。ある種暗示なのかもしれませんが、性善説でやらなきゃだめだとずっと言っていて、それに共感してくださる方がお客様として残ってくれることが多いと思います。

荒井:ビジネス現場で性善説を信じる・・・。当然のことなのに、あらためて聞くと、新鮮に感じますね。

------- 後編に続きます!お楽しみに!! -------

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