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夕暮れの庭で~庭園美術館④~

庭園美術館のYUMEJI展に行ってきた。

昨年の夏と同様、あまりの暑さに、週末の夕方行くのも考えたが、今回は、金曜日の夜間開館にチャレンジ。

夜間開館に行くのは初めてで、冬の夕暮れとはまた異なる景色をみることができた。

前回の記事で、昭和レトロが多いと書いてしまったけれど、夢二は大正モダンでした。
そういった意味では、時代の差は大きいのかも。

今回はどうやら二階から見る順路になっていたようだが、気づかず、一階から見たので、解説の内容とはあわず、あれれという感じだったけれど、あまり気にせず、見たいように見る。

思ったよりは人は少ないけれど、途切れなくやってくるのは夢二人気なのだろう。

女性の比率がいつも以上に多い気がする。

庭園美術館は、いつもながら、建物を活かした展示になっていて、今回も、青を基調とした背景と部屋の特徴を組み合わせた見せ方で、全体に統一したイメージになっている。

背景とのバランスが美しい

今回一番の売りの「アマリリス」の油彩は最初に展示。

夢二の油彩をこんなにたくさん見たのは今回が初めてかもしれない。

今回の展示は基本、年代に沿ったものになっているのだけれど、こうしてまとめてみると、夢二が美人画だけではない画家であるのもよくわかる。

ちなみに最初の妻、たまきさんの写真があるのだが、本当に美人!
こんなに美人だと描きたくなるだろうと思わせるぐらい美人だった。

日本画と洋画を組み合わせた新しい絵画の始まりでもあり、絵画だけでなく、生活にとけこませるようなことも彼が始めたものだった。

全体的な抒情性と仄暗さはずっと通して存在するのだけれど、風景画や農村の女性を描いたものは思いがけない力強さもあるのを知った。

やはり一時代を築いた存在であり、彼もまたかけがえのない存在なのだ。

岡山に行ったときに、夢二記念館は見ているはずなのだけれど、あまり印象がない。もう何十年も前になるので、記憶違いかもしれないが、再建された少年山荘はぜひ行ってみたいと思った。

そして、夕暮れから夜にかけての庭園美術館は仄暗い夢二によく合う。

3階があいていなかったのがとても残念だった。夕暮れの時間を3階の温室から見てみたかったが、2階のベランダからの風景で我慢。

同じ理由かわからないが、ベランダが人気で席がなかった。

そして今回のジュニアガイドも秀逸。
中学生以下向けの解説が庭園美術館にはあるのだけれど、夏休みの展示のせいか、内容のせいか、とても力が入った造りになっている。大人ももらえるので、ぜひおすすめしたい。
ほぼ必ずもらっている私である。

次回は、照明にフォーカスした建物の展示とのこと。こちらも本当は夜見たい気もするが、残念ながら夜間開館はないようだ。

いずれにしても会期の後半はもう閉館時間は真っ暗かもしれない。

美術館に来るのを再開してから、1年余りだが、庭園美術館に来ているのがたぶん展示を見るためでは一番多い。

初めての夏の夕暮れを体験し、
何度来ても楽しい。
いつ来ても新しい顔を見せてくれる。
それが私にとっての庭園美術館と、
改めて思った今回だった。

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