見出し画像

沖縄の新聞とお悔やみ事情

新聞といえば全国紙と地方紙がありますが、沖縄県は地方2紙のシェア率がおよそ98%(2019年10月)とかなり高い数字で購読されています。全国紙を購読しているのは極々一部という他では珍しい県。シェア率が高い理由の一つが年長の県民を網羅して人気?の訃報(お悔やみ)情報です。沖縄の新聞とお悔やみ情報について綴ってまいります。

沖縄の新聞事情


沖縄県の2代紙といえば、沖縄タイムス社と琉球新報社。

沖縄県で全国紙が普及しない理由はいたってシンプル、離島だから。海を隔てた先の情報よりも地域に密着した情報が生活する上での重要度は高いのは必然的です。海を超えて往来を繰り返す方も増えてはいますが、島内で生活が完結する方の方が圧倒的ですもんね。

ちなみに本島のさらに離島、羽田発着便が飛ぶ宮古島と石垣島。宮古島では、宮古毎日新聞と宮古新報の2社、石垣島では、八重山毎日新聞社と八重山日報の2社のシェア率が高くなるのも頷けます。沖縄本島との近さという点で、本島の新聞を購読されている方も多くいるようです。

沖縄で地方紙のシェア率が高いのは、最新のニュースを紙媒体で届けるとなると朝に届くことが絶対に必要ですが、全国紙が手元にくるには、飛行機が到着して後、お昼前になってしまうから。

地方紙が選ばれる理由はそれだけではありません。紙面のちょうど中ほどにあるお悔やみ情報。近所づきあいがまだ根強いので、毎朝それだけはチェックするおじいやおばあがいるほどです。今では、web版やアプリが発達して若い方はそちらの利用も増えていると思いますが、新聞紙面は世代的な人気からも根強い感じですね。

沖縄のお悔やみ事情


私自身もこのお悔やみ情報を意識するようになったのは社会人になってから。なにせ、出勤すると上司から「会社でお付き合いのある◯◯さんのお母さんが亡くなった」とか、「◯◯社長のお義父さんが亡くなった」から「◯時には告別式に参列する」なんてことが日常的に会話として出てくるもの。

よっぽどの重要な会議や代わりがきかない場合を除いては、その告別式に参列することが優先されるという。お世話になっている◯◯さんではなく、その身内であったとしても。

なので新人のうちは、そのお付き合いの程度で免除されたりもありますが、「ここは出していた方が」と上司から促されると香典を包み、それを上司に託すという感じです。会社で誰かが代表として参列することもあり、その場合は10〜20の香典を持って告別式に向かうのです。

そのため新聞を広げたらまず最初に訃報情報からチェックする、というのは社会人の常識のようなものでした。今ではどんどん薄れているかもしれません。

沖縄の訃報情報はアプリが充実


新聞離れもあることと、早めに情報を入手して予定を立てたいという県民のニーズにあわせてか、お悔やみ情報のアプリが充実しています。

「沖縄おくやみ情報局」や「沖縄しまタビ」がアプリを公開しています。お悔やみ情報のほかにも旧暦や年中行事など、沖縄ならではの情報がコンパクトにまとめられています。

しかも初七日法要や七日ごとにある法事に対応できるよう、関係のあった故人様の法事・法要情報のお知らせ登録もあるという充実ぶり。沖縄の天気予報・満潮干潮予報などの生活に役立つ情報から、いざというときに役立つ、年中行事・旧暦・六曜の情報も気軽に入手できます。


まさに沖縄県民の生活にマッチングしたアプリ。全世界共通のアプリから日常生活にマッチしたアプリとその可能性と広がりが楽しみです。とはいえ、新聞はやはり紙面で味わいたい昭和生れの私です。

よろしければぜひサポートをお願いします! これを励みにより価値ある、ためになるそして笑顔溢れる発信に心を配って参ります。