砂遊びをして校舎に入らない6年生

わたしの息子は、クリエイティブなアイデアやオリジナルな価値観を持っているため、既存の学校教育システムに合わない中学生。

本人の良さをあるがままに伸ばしてあげたいけれど、私の夫は不登校をまったく受け入れません。夫婦間の考えかたが真逆である点に苦労しています。

このnoteには、長男が不登校に至るまでの過程を、時系列で備忘録的に投稿しています。いつか誰かのお役に立てることを願って。

コロナ休校後の学校再開

3か月の休校を経て、学校生活が再開しました。

3年から5年まで1学年1学級だった息子たちのクラスは、6年生の最初に転入生があり2クラスに。それに伴うクラス編成があり、新しく異動した男性の先生が息子のクラスの担任になりました。

大荒れに荒れていた5年生が突然終わりになって、最高学年としての久しぶりの学校生活スタート。

体温管理だ、マスクだ、消毒など、感染対策にまだ慣れていない先生や生徒たち。

問題行動も再開

しばらくすると、わが子はまた「問題行動」が見受けられるようになりました。

登校したら、校庭で砂遊びをしていて、先生に促されても、いつまでたっても、校内に入らないのです。低学年の子にクスクス笑われても意に介さないそうで。

授業には参加せずに、校内では校長室や図書室などで過ごすことが多かったそうです。

給食の時間になると、自分のクラスに行って、ちゃっかり食べているらしい(食べるの大好き)。

不登校ではなく、行き渋りとも、ちょっとちがいます。学校には毎朝行っているし、友達とのトラブルは特にありませんでした。

本人に理由を聞いたら、
「学校がきらいだから」
「つまらないから」
「やることないから」

いやな気持ちはよくわかるけど、なぜそこまでして拒絶するのか。そっちの方がエネルギーが要りそうだから、私には不思議で仕方がありませんでした。

本人はいったい何を考えているんだろう?
話してもよくわからないし。

学校じゅうの児童も先生も、さまざまな制約や不便の中でストレスを抱えながら過ごしている中で、おそらくわたしの息子だけ授業に参加しない状況でした(他にもいたのかしら?)。

暗中模索の日々

学校に迷惑かけているから、フリースクールなんかも視野に入れた方が良いのかなと思い始めたある日。

区が運営している「不登校児童のための施設」に電話で相談してみたら、そこは、もっと深刻なお子さんが利用する施設のよう。

「学校に行けているだけで、100点です。お母さん、ほめてあげてね。」って言われて、涙が出ました。

そうか。毎日学校に行って、給食食べてくれてるだけで、すでにありがたいことなんだね。わたしは息子に求めすぎていたのかなぁ。

本人は、マスクをつけなければ、学校に行かなくて済むかもという、過激な考えも持っている。

どうしたら良いんだろう。ほっとく方が良いのかな。
ひょっとしたら、天才なのかな。

わたしにとって五里霧中の期間が続きました。

担任の先生が…

息子の担任の先生からは、1~2日に1回ぐらいのペースで電話がかかってきました。いつも息子の問題行動に関する注意ばかり。

学校から着信があるたびにうんざりしましたが、電話をかける先生の側にとってもまた、気が進まない時間だったことでしょう。

7月下旬に、個人面談がありました。電話で話す機会はたくさんありましたが、リアルでお会いしたのは初めてでした(コロナで保護者の学校への出入りができなかったので)。

面談が始まって数分後。なぜか、わたしの心がざわつきました。

帰宅後、長男に「担任の先生、どう?」って聞いてみました。

「あんなにいやなやつ、今まで会ったことない。大っ嫌いだーーー」と、すごい剣幕で打ち明けてくれました。

ああ、そうだったんだ。なるほどね。そこだったんだね。

解決はしていないけど、ようやく息子の本音がわかって安堵しました。

でもその翌日に脱走事件が起きるとは、その時は思ってもいませんでした。

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