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46歳。一人暮らし、はじめました。

46歳で一人暮らしを始めたのは、離婚したからなのか、親が亡くなったからなのか。

私はどちらでもなく、46年間ずっと暮らしていた実家をただ出ただけである。離婚もしてないし、両親は、母は亡くなったが、父は健在で、私の一人暮らしは、単純に家を出ただけだ。
多分こんな時は「自立」とか「独立」とか言う。だけどそんな立派な言葉、私は自分に使えない。

パラサイトシングル、寄生虫、子供部屋おじさん(私の場合は、おばさんか)。46歳で実家暮らしだと、こんな風に言われる。
46歳にもなって、実家で暮らしているなんて、一体どんなヤツなんだ!掃除洗濯、全て親任せで、黙ってても食事がでてきてサイコーとゴロゴロしてんのか!私はそんな風にイメージされるのだろう。むしろそんな風に開き直れていたら、きっとまだ実家で暮らしていたと思う。
46歳でずっと実家で暮らしているのは、私は恥でしかないと思っていた。実家で暮らしながら、私はずっと肩身が狭かった。ずっと負い目を感じていた。私の隣では謎の不特定多数「世間」がいつも厳しく私をバッシングしていた。「世間」は私を決して許さない。
Twitterが存在するようになってからは、謎の「世間」の言葉がより具体的な罵声になった。独身、30代以上、実家暮らし。そんな人々が良くない目立ち方をする度、私の知らない遠くの人々が一斉に罵声を上げる。Twitterの罵声を見ながら、私も何かで目立ってしまったら、この声が自分に突き刺さるのだと脅え、人々に迷惑をかけないように、悪目立ちをしないようにこれから先を生きていかねばと思った。だけど私はずっと何事も無いかのような顔をして、街をあるいていた。

実家には私の部屋がある。それはとても恵まれているのだ。窓に陽が当たることなく、部屋はずっと薄暗い。マンションの廊下に面している窓を私は開けることが出来なかった。仕事をし、窓を開けられない薄暗い部屋で寝起きする日々。とても恵まれている日々。
だけど今年の春、もう実家では年を越さないと決めた。そしてまだ少し暑い秋の始まりに古い団地の一室を借りた。もうすぐ今年が終わる。年越しがやってくる。団地の窓から入る光は眩しく、とても明るい。外の景色はまだ見慣れず、ここは私が帰る家だが、ここが私の家なのかは、まだ実感が湧かない。
遅すぎる初めての一人暮らしをしている私は、平日仕事をし、週末家事をし、夜にはお笑い番組を見てゲラゲラ笑い、抗うつ剤を飲みながら眠れない夜を過ごしている。

46歳にもなって初めて一人暮らしをする人はあまりたくさんはいないだろう。そんな訳で色々書いてみることにした。

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この続きの回は以下のURLから読めます。

https://note.com/happyfamilyplan/m/me72bdc1fc941

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