湖で鮭弁当
リュックの中には折りたたみチェア。私はこれから、湖にお昼ごはんを食べに行く。
週末は湖でお昼ごはん。いつの間にか私のルーティンになった。今週のお昼ごはんは、鮭弁当とかぼちゃコロッケ。湖のお昼ごはんはいつもスーパーで購入している。
弁当のラベルには「THE 鮭弁当」。白飯の上に3枚の海苔。その上に鮭を乗せただけ。そもそも乗せただけを弁当と呼んでいいのだろうか。そのままのネーミングと乗せただけの潔さが大胆過ぎて買わずにはいられなかった。
私は料理をしないので、焼き鮭を食べるのは久しぶり。1年半ぶりぐらいだろうか。まだ料理をしていた頃、家で鮭を焼いたらパサパサになってしまい、全く美味しくなかったので、もう鮭は焼くまいと決めた。だけど鮭は好きなのだ。
さっそく鮭をひとくち。うーん美味い。パクパクと鮭を食べ進めて、白飯の存在を忘れてしまう。いかん、これでは鮭が先に無くなってしまうと、白飯も頬張る。美味い。白飯だけでも十分美味しいじゃないか。白飯、お前は最高の鮭のお布団だよ。乗せただけとか言って悪かった。私は鮭と白飯を交互に食べ、久しぶりの焼き鮭を楽しむ。
やっぱ鮭、うめぇなぁ。
時折挟む、ピンク色の大根の漬物。これも美味い。なのになぜ3枚しかないんだ。もっとあってもいいのに。
無心で鮭と白飯を口に運び、あっという間に鮭弁当を完食。続いて、かぼちゃコロッケ。
このかぼちゃコロッケ、ずーーーーっと気になっていた。見て!ゆでたまごのような2色の切り口。私がずっと気になっていたのも分かってくれるはず。中心の濃いオレンジ色が、ものすごく食欲をそそる。絶対美味しそう!と思って購入したその味は、期待を裏切らなかった。甘くてしっとり滑らか、だけどかぼちゃのほっくりさもある。そうそう、このほっくりさと甘さを味わいたくてかぼちゃの惣菜を買うんだよ。これは買って正解だった。かぼちゃコロッケは3個入だったので、結構お腹いっぱいになってきた。でも、甘いものは別腹なんだよねー。
今週のおやつは98円で売ってたパイの実。私の印象では、パイの実はちょっと高めのおやつ。だけど最近、近所のスーパーではパイの実が安くて有難い。実は先週も湖でパイの実を食べていた。
サクサク、サクサク。美味しさもだが、この噛み心地もたまらん。口を大きく開けずともポイポイと放り込める、ちょうど良いサイズよ。右手がパイの実の箱と口元とをリズミカルに行き来する。
あーもう、永遠にパイの実を口に運んでいたい。何故お腹いっぱいになってしまうのか。エンドレスでサクサク、モグモグしていたい。なのにもうパイの実は最後の1個になってしまった。残念だけど、今週のお昼ごはんももう終わりだ。
ああ。やっぱりお腹が苦しい。私は毎週、湖でお昼ごはんを食べ過ぎてしまう。毎週少しだけ後悔しつつ、この後はダラダラする。特に有意義なこともせず、コーヒーを飲みながらダラダラ。自宅でこれをすると、ものすごく怠惰で今日は何もしなかったと後悔してしまうのだが、ここでは良いダラダラをしたと思えるから不思議だ。
湖はいつも強めの横風がふいている。ダラダラする私にも風が吹き付ける。夕方になり風が冷たくなって来た。離れたところで寛いでいたおじさん達は、いつの間にかいなくなっていた。腕まくりしていたシャツの袖を下ろしても寒い。こうなると帰る時刻だ。そろそろ空も暗くなる。
膨れたお腹を抱え、改めて食べ過ぎたと思いつつ、私は折りたたみチェアをリュックに詰めた。
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