メルストにおけるSDモーションの役割とは何か?
この記事は、「Happy Elements カカリアスタジオ デザイナーアドベントカレンダー2020」の2日目の記事です
はじめに
メルクストーリアチームでアニメーションデザイナーをやっている たくあん と申します。(以降メルストと表記します)
メインとしてはSDのモーションを作っておりますが
その他演出に関わるアニメーションであったりエフェクトも手広く色々チャレンジしております。
今回このような場で何を話すべきか考えた結果、
そもそもの業務の主軸となっている SDモーションに対して
その役割とは何かを今一度立ち止まって振り返る機会にいたしました。
単純に考えると「クエストに必要だから」の一言で終わるのですが
ただ、メルストにおいてはゲーム性とはまた別のベクトルで大事にすべき部分があると思っています。
以下自論も含みますがよろしければ読んでいただけると嬉しいです。
(担当したお気に入りのモーションをメンバーに選定してもらいました)
モーションの役割とは
ずばり 「生」による魅力のつなぎ と考えます。
つなぎとは?
ハンバーグを作るときにパン粉や卵を使いますよね。
はい、そのつなぎです(?)
つなぎとは、材料を練ったり混ぜ合わせる時に、粘着力を与えてまとまりやすくするために加えるもののことです。
ハンバーグには一般的にパン粉や卵を使用し、ひき肉と玉ねぎを一つにまとめる役割を担っています。
ん…?なんで急にハンバーグ…?という気持ちを一旦抑えていただき、
どうか以下を読んでつなぎへ至った理由を汲み取っていただけると幸いです。
キャラクターを形作る3つの「材料」
まずキャラクターを形作る要素として
● イラスト(キャラのビジュアル)
● シナリオ・設定(キャラの人格)
● モーション
この3点が大きく関わっていると思っており、
特に上記2点は外側と内側を担っている欠けてはいけないものです。
ではモーションは何を担っているのでしょう?
そう、「生」 です!
キャラが「生きている」ことを表現できます。
そして、ここで出てくるのがつなぎの話です!
では先ほどお話ししたハンバーグの話をここで掘り返します。
例としてハンバーグ作りをキャラ作りに置き換えてみます。
ハンバーグ | キャラクター
挽肉 | イラスト
玉ねぎ | シナリオ・設定
つなぎ(パン粉)| モーション
キャラクター をつくるために
イラスト と シナリオ という「材料」を混ぜる際、
そのままではそぼろのようにポロポロと崩れてしまう恐れがあります。
しかし、そこにモーション をつなぎとして入れることによって一つにまとまりやすくなってくれるのです。
さらに、そのつなぎが結果的にイラスト・シナリオをつなぎとめ、キャラクターの魅力の強化・深化に一役買ってくれるのです!
モーションは無くても困らないかもしれない、
けれどイラストとシナリオで表しきれないキャラの魅力を補完しさらに引き出し広げることができる!
そう考えるとモーションはキャラを支える縁の下の力持ちなのかもしれません。
(しかし、すごく良いつなぎのパン粉を用意できたとしても、そもそも挽肉と玉ねぎが無いとどうしようもない部分もあるのでアニメーションデザイナーはイラストレーター・ライターさんの存在に日々感謝です)
「魅力」を大事にする理由
先ほどから何度か出てきている 「魅力」 というキーワード。
なぜ魅力を大事にしているかには明確な理由があります。
ゲームの仕様上、キャラクターが増え続ける運命にあるメルスト。
キャラクターの数が現時点でユニットが1800体、モンスターも1000体以上と数が膨大になりつつあり、
それぞれユーザーに愛着を持って愛してもらえるキャラクターを生み出し続けていかなければいけません。
メルストの広い世界に生きる人間や動物を創造する訳ですから、
クリエイター皆でキャラ一人一人に精一杯向き合ったキャラづくりを心がける必要があります。
その姿勢を大事にすることが結果的に魅力を生み出し、愛着へ繋がると信じているのです。
「つなぎ」の例
では実際そのつなぎがどう生きているかわかりやすいユニットを例に出してみようと思います。
ヘキサルトさん・ハグルマさんです。
ヘキサルトさんは訳あってハグルマという別人格をもつ特殊な設定があり、
レアメダルと交換で手に入るお着替えアイテムによってハグルマさんに切り替えることができます。
(詳細気になる方はメインストーリー2部の機械の国編を是非…)
では上の画像左側のテキストからキャラ性を汲み取ってみましょう。
その結果、
● ヘキサルト:明るく元気いっぱいな子
● ハグルマ:口数少なくクールな子
というわかりやすい違いが読み取れます。
イラストのビジュアルでは服装はもちろん、ポーズにも差分があり設定の盛り込みが素晴らしいです…。
これだけでも十分に魅力的なキャラクターではあるのですが
そのシナリオとイラストの魅力をさらにつなぐ要素として次にモーションも含めて分析してみましょう。
魅力のつなぎを分析
ヘキサルト
ハグルマ
この2つのモーションとイラスト・シナリオを照らし合わせ、プラスで汲み取れる魅力をまとめてみます。
イラストとシナリオでは拾い切れない設定を補完し、魅力を広げる
● イラストでは機械の羽が開ききっている状態なのに対し、普段はまとまって格納されているというギミック設定の盛り込み
● イラストのエフェクトをモーションにも盛り込み親和性を高める、
魅力の強化・深化
● 性格が真逆とも言える内面をポーズや所作で表現
ヘキサルトは元気にジャンプしたり感情が豊かで活発なのに対し、
ハグルマは所作それぞれ静かでまるで人形のような動きをしている点
● 攻撃の際浮かび上がる「不思議な力」のモチーフとして出ている歯車マークについて 力量としてはハグルマさんの方が上なので数が多い、など
いかがでしょう?
モーションの存在によりキャラの視覚化された魅力がより深まっているといえるのではないでしょうか。
まとめ
おさらいします。
今回の話の議題である、メルストにおけるSDモーションの役割とは何か?
その答えはイラストとシナリオを結びつける 「生」による魅力のつなぎであるということ。
魅力の強化や深化、時には広げることもできる色々な可能性を秘めており、とても重要な要素であると考えます。
ただし、「モーション」それだけでは何もできず、イラストやシナリオが成り立ってはじめて生きてくるものなので
大きな土台となるイラストやシナリオを支える柱としてこれからも魅力あるキャラクターを作っていきたいと改めて感じました。
モーションを作っているメンバー達は好きになってもらえるようキャラクターに愛着持ち、
丹精込めて作っていますのでこれからもどんなキャラクターが出てくるか楽しみにしていただけると幸いです。
(冒頭で突然ハンバーグの話をねじ込んでしまいましたが結果的に納得していただける内容になっていることを願い…ます…)
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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