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あんスタ!!Live2Dモデルの制作あれこれ

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ デザイナーアドベントカレンダー2020」の4日目の記事です

はじめに

こんにちは。あんさんぶるスターズ!!Live2Dデザイナーチームです。
(以降あんスタ!!と表記いたします)

Live2Dデザイナーは、アプリ内でのマイページやストーリーにて登場する
動く立ち絵 (Live2Dモデル) の制作まわりを担当しています。

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今回はこのような機会をいただけたので
あんスタ!!のLive2Dモデルはどのように作られているのか、
また、どんなこだわりを持って制作しているのかをご紹介していければと思います。

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あんスタ!!Live2Dモデルができるまで

今回はイベント、スカウトなどの衣装替えモデルについてお話していきます。あんスタ!!のLive2Dモデルの制作手順はざっくりまとめると以下の通りです。

<衣装デザインの決定>
 衣装デザイン担当者からいただいたデザイン案を元にあんスタ!!のLive2Dモデルで再現可能かどうかを擦り合わせていきます。


<Live2Dモデル用のパーツ素材の作成>
 完成した衣装デザイン画を元に、実際にLive2Dモデルを動かすためのパーツを制作。
 基本的にチーム内のイラストレーターに制作してもらっています。


<Live2Dモデルの制作>
 制作されたパーツを使用し、実際に動きをつけていきます。

作成されたデザイン画を元にただLive2Dモデルを制作していくだけでなく、
衣装デザインを決定する段階から 「デザインチェック」 という立場で制作に関わっています。


● なぜ衣装デザイン制作段階から関わっているの?

あんスタ!!のLive2Dモデルは
「腕や頭が広範囲に動く」
「腕と胴体の前後感が変わる」
などの特徴から、様々な動きの表現を可能にしています。
 
一方で自由度の高いモデルになっている事でモデルの構造が複雑になっており、決められた制作スケジュール内で再現できるデザインにも限りがあるのです…。

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▲ 袖周りは実際の動きを参考にしており、
 「常にシルエットやシワを動かす」ことでパーツらしさを感じさせない、
 よりリアリティのある動きになるよう制作しています。
 その為、特にパーツ構造が非常に複雑です。

「限られた制作スケジュール内で再現できるデザインかどうか」
もしくは
「どういったデザインだと制作スケジュール内で再現可能か」

こういった部分を衣装そのものの魅力・こだわりを考慮しつつ見積もり、
デザイン担当者さんと事前に相談していく必要があります。

工数が膨大に膨らむと納期に間に合わない それすなわち死・・・

ここの工程は失敗できない、かつ非常に重要なので毎回とても頭を使うのですが、

「衣装はアイドルたちの武器!最高の一着を来て欲しい!!」

そんな一心で自らのノウハウとアイデアを最大限引き出し、
出来る限りの「最高の一着」にするべく、デザイン担当者さんとやりとりをしています。

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Live2Dモデル制作で大切にしている事

上記の過程で制作するにあたり、
Live2Dデザイナーが実際にデータに触るのは <Live2Dモデルの作成> からになります。

ここからがLive2Dデザイナーの腕の見せ所!
というわけで、モデルを制作する上で意識しているこだわりを一部ご紹介します。

● キャラクターの「存在感」を出す、平面らしさを感じさせない動きを

あんスタ!!のLive2Dコンテンツはモデル、モーション共にリアリティを重視した制作を意識しています。

Live2Dモデルは平面のイラストパーツを使用しているのですが、
より三次元的に表現し、キャラクターの「存在感」を出す事で
ストーリーひいてはあんスタの世界観への没入感を深められると考えている
ので平面パーツであることを感じさせないような立体表現を追求しています。

3_まとめ

▲ 体を斜めに向けた時の立体表現


素材制作段階で用意されたパーツのみで制作したもの。
実際だと見えるはずの奥の背中部分が見えない為、体が薄っぺらく見える…。 

右→:
新たに奥の背中部分のパーツを作成し、立体的に表現。厚みのある上半身になるよう調整。

4_まとめ

▲ 小物類の立体表現
面のある小物類はパーツごとに細かく変形し、立体感を表現しています。

特に、可動域の広い頭についた装飾などは一番視線が集中する顔まわりという点もあり、平面的な素材パーツをモデル制作時に
頭の形に合わせ変形してパズルのように組み立てる事もあります。


ちょっとしたお話

Live2Dモデルを制作する際は、
平面の素材が実際に動いた時にどういった見え方をするのかを
常に頭の中で想像しながら動かしています。

ただし、時には想像するのが難しい複雑な構造の衣装に遭遇する事も…。
 

そんな場合はやみくもに突き進まず、
「似たような形状の服を用意し実際に着てみる」「ネットに上がっている動画を参考にする」といったような方法で完成形のイメージを明確にすることが大切です。
 

そしてその一環で、実際に衣装の模型などを作ったりもします。

手元に資料があるとめちゃくちゃ楽!ないなら作ろう! のスタンスです。
息抜きにもなるし一石二鳥!

5_まとめ

▲ あんスタ!モデル制作時のものですが、メカ部分の構造の理解を深めるために作りました。
手元にあった円柱のアイテムに貼りパネで作ったメカパーツを固定し、360°見れるようにしています。


● 衣装の質感や構造がしっかり伝わるようなモデルづくり

カードイラストや3Dモデル、SDなど…
あんスタ!!アプリ内では様々なコンテンツを通してアイドル達の存在に触れられ、それぞれに違った楽しみ方や魅力があります。

その中でもLive2Dモデルは
「等身大サイズの衣装を細部までじっくり見て楽しめるコンテンツ」
であるところが魅力のひとつ。

そういった考えから、
衣装の構造や質感をより伝えられるようなモデルをお届けできるよう日々心がけています。
 
特に、揺れものの表現は衣装をよりリッチに見せられる要素として
試行錯誤を重ねている部分です。

各部分の揺れ方は「実際の動きを再現する」のではなく
「実際の動きを把握した上で、質感や特徴を最大限伝えられるようにするにはどうすればいいか」
という点に重きを置いて制作しています。

その衣装に一番合った表現を求めて、都度調整方法を変えているのでそういったところに注目しても面白いかもしれません。

6_まとめ

コンポ 1

▲ ボリュームのあるフリルなどは一枚の布であってもパーツごとに揺れるタイミングを分けて、布特有のふわふわした揺れを再現しています。

空気抵抗などを軽く調べたり、実際に布を揺らしたりなどして
ルールや法則性などがないか考えながら制作していきます。

天城一彩_1

▲ 左右と前後、
2つの揺れを組み合わせる事で立体的な揺れを表現しています。
体と衣装の間に隙間があるデザインなどで、空間を演出する目的で使用する事が多いです。


● その衣装だけの「チャームポイント」を考える

こちらは主にイベント、スカウトの★5の進化後衣装を製作する際に意識します。

Live2Dモデルは
「等身大サイズの衣装を細部までじっくり見て楽しめるコンテンツ」であるところが魅力のひとつ

前項で上記のようにお話しした通り、
各衣装の細部に渡るこだわりをユーザーの皆さんにお伝えできるコンテンツとしてはLive2Dモデルは最適であると考えている為、
衣装の特徴に合わせてなにか新鮮な表現ができないかを常に考えながら制作しています。

完成した衣装デザインを見て感じた 「かっこいい!」 「かわいい!」
そういった直感を大事にしながら、その衣装のオンリーワンなこだわりを作っていきます。

8まとめ

▲ 頭のサングラスが印象的な衣装だったためサングラス独特の光沢、光の反射が顔の角度によって変わるつくりにしました。
通常ではない反射光などの効果パーツを増やし、リッチな見え方になるように制作しています。

9まとめ

▲ このデザインを見た時、ジャケットのグリッターのキラキラ感がチャームポイントに感じ初めてLive2Dモデルでのラメ表現に挑戦してみました。

明色・通常色・暗色で分けた粒パーツをメリハリをつけて表示非表示を繰り返す事でグリッターの粒がランダムで光る見え方を再現しています。

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さいごに

以上です。いかがだったでしょうか?
本記事があんスタ!!のLive2Dモデルをより楽しむ一助となれば嬉しいです。
 
あんスタ!!のLive2Dモデルは
アプリ内のマイページやストーリー画面などで
キャラクター達のありのままの様子をリアルに感じる事ができるのが醍醐味だと思います。

これからもESアイドル達、そしてそれを取り巻くキャラクター達の
生き生きとした姿をお届けできるようチーム一丸となって精進していきますので、引き続き『あんさんぶるスターズ!!』の応援をよろしくお願いいたします!

それでは、ここまでご覧いただきありがとうございました。


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