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それをしてしまう理由(7)

私はありとあらゆる人に、母を見ていた

私には二人子どもがいます。超高齢出産で生まれた子どもたちです。下の娘がすぐに泣いて騒ぐのですが、彼女が泣き始めると「またか…」と思い、放置していました。

しかし、夫がそれを見て
「放っておいても一人でできるようにならないよ」
と言うのです。

それを言われるのも嫌でしたが、娘に関わるのも私にとって厄介なことでした。

なぜ、こんなふうに子どもに関われないのだろう?とずっと不思議だったのですが、それは、騒ぐ娘に母を見ていたからなのです。

上の息子も、ちょっと甘えた声でまとわりついてくることがあり、それが私にとっては嫌で嫌でたまらず、私の心の声が聴こえます。
「また何か見返りがあるんじゃないの?普通に言いなよ!普通に!」
と怒りすら湧いてくるのです。これも後でわかったのですが、息子の甘えた様子に母を見ていたのです。

いろんな場面で、母への投影が起きている事実にとても驚きました。
私にとって娘や息子や夫は、母ではありません。
それでも子どもが騒ぐ姿は、私には”母”そのものだったのです。そして母が私を困らせるというフラッシュバックが自動的に起こり、自分を凍りつかせていました。


母は”大人”ではなかった

それと同時に、母は今でも幼い子どもなんだ、と気づいたのです。自我が発達しないまま、年をとってしまったのだ、と。

父が生きていた頃は気づかなかったけれど、父が亡くなってから、母は精神的に一人で立っていることができなくなり、不安で仕方なくなり、決断を迫られる場面になると、途端に騒ぎ始めたのです。

例えば、家をアパートの一室にする契約などで、決断が必要なとき、母は自分で対処することができず、まるで迷子になった子どものように見えました。父がいた頃は、彼がただ存在していただけで、母は自分で考えたように取り計らっていたのです。しかし、父がいなくなった今、その欠如が明らかになりました。

母は大人の責任を取れない幼児のような、脆い存在なのです。何度も「私は決めたわ」と宣言しては、他人の意見を聞いてしまう途端に自分の意見が揺らいでしまい、前言撤回を繰り返す母を見ていると、その間に話し合った時間が全く意味をなさなかったように感じていました。

彼女の不安は私にまで伝わり、どうしてよいか分からない気持ちでいっぱいになりました。

母が何かを決める場面では、私がいつもサポートしなければならず、その度に彼女の依存性を感じました。これが続くうちに、私は母に対する感情が複雑になり、時には苛立ち、時には哀れに思うこともありました。

母が自分の人生を全うできるように、少しずつ自立を促すことが必要だと感じましたが、NPDである母にはできない相談です。母の心の中には、一生解決できない多くの恐れや不安があり、それが彼女の行動を制約しているのです。

こうして、母は大人の姿をしていながらも、精神的にはまだ幼い子どものままでいるのだと痛感しました。

つい我慢をしてしまうクセ

その頃、私の勉強のためにコーチングのモニターセッションを受けてくださっている方に、母を投影していました。

とても詳細にお話しをされる方で、私は黙ってその方のお話しを聞いていただけなのですが、途中からとてもイライラしてきたのです。
なんでこんなにイライラするのかな~と後で考えたら、その方に母を見ていたみたいです。

私を無視して延々と話し続ける母を感じていました。

私が自分を守るために行ってきたこと

困っているけどなぜかわからない、困ったけど直せないこと。そういった経験は誰しも一度はあるかと思います。
それをしてしまう理由は、自分を守るために行ってきたことだったのです。

たまたま飛び込んだ先にNLPがあり、NLPを学んで、本当にいろいろな投影に気づくことができ、身も心も軽くなっていきました。NLPを通じて、自分の行動や思考のパターンに気づき、それを変える力を得ることができました。

受講前、私がNLPコーチになるなんて思ってもみませんでした。しかし、NLPの学びを深めるうちに、その効果を実感し、他の人にもその素晴らしさを伝えたいと思うようになりました。

腑に落ちる体験をしてきて私が言えることは、無意識でやってきた行動の裏側に気づけたら、自分の認知を変え、行動を自分の選択肢で変えられるようになるのです。これは非常に大きな変化であり、人生をより良い方向に導く力となります。

私は、現在、人が大事にしている価値観を、もっと聴いていきたい。人を承認していきたい。そして、自分はいつも成長する存在でありたい、と思っています。成長を続けることで、より多くの人々に影響を与え、彼らが自分自身の可能性を最大限に発揮できるようサポートしていきたいと考えています。

その後の夫との関係

その後、夫との関係は、良くなった、と言いたいのですが、現実はそう簡単ではありませんでした。
子どもが大きくなるにつれ、夫は夫の考えていることを私に相談せずに動いていくようになりました。

私が彼に相談しなかったように、彼は私を無視して相談をしなくなったのです。そして、子どものことをかまい過ぎて、夫は自分の時間を確保できないほど忙しくなりました。

夫は仕事や家庭の責任に追われ、ますます疲労がたまっていきました。そして自分の時間がないことや、私にイライラしているのがわかるぐらいになりました。週末も家族のために時間を使い、自分自身のリフレッシュの時間を持てなくなりました。

夫はその後、私に爆弾を投げつけるようになっていきました。些細なことで口論が増え、私たちの関係はさらに悪化していきました。もはや、以前のような親密さや信頼は感じられず、距離が広がっていくのを感じました。

続きは、「夫の、妻の、ここにグサッときませんか。実は価値観にすれ違い」にて展開しています。


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