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競(きそ)ふより友情メダル夏の果(はて)

 東京オリンピックが終わって一週間ほどがたちました。七月二十三日が開会式で、八月八日が閉会式でした。その日は私の七十五歳の誕生日でもあり、印象深いものがありました。

 開催については、コロナ禍でもあり否定的な意見が多くありました。でも、待ち望んでいた選手の情熱が爆発して、日本中がひとつになったように盛り上がりました。

 さいしょにメダルを取ったのが、柔道でした。ルールが変更となり「効果」「有効」は廃止され、「技あり」と「一本」で競うことになりました。本来の日本の柔道がよみがえり、投げ技も寝技もきれいに決まります。礼にはじまり、礼で終わる選手の姿も美しい。

 今回特に印象的だったのが女子のスケートボードでした。パーク競技は、お椀型のコースを滑りながらトリック(技)を決めるものです。決勝に予選を勝ち抜いた八人がのぞみました。その平均年齢は十七歳です。金メダルは、空中で一回転半する大技を二回成功させた四十住(よそずみ)さくら( 十八)、銀メダルは、空中でボードを回転させる技を決めた開心那(ひらき・ここな 十二歳)、銅メダルは、日本人の母をもつイギリスのスカイ・ブラウン(十三歳)でした。

 見ていて驚いたのは、競技者は競争相手ではなく、お互いは尊敬する仲間という感覚です。トリックが成功すればみんな集まり喜びをわかちあいます。四位に終わった岡本碧優(みすぐ十五歳)のときでした。逆転を狙った大技が失敗したあと、選手たちは駆け寄って岡本を抱え上げたのです。このような光景は見たことがありません。

 ストリート競技は、公園の階段や手すり、縁石などを滑り降りながらトリックを競うものです。西矢椛(もみじ)が十三歳で日本史上最年少の金メダリストになりました。銅は中山楓奈(ふうな)で十六歳でした。

 若い女性たちが笑顔いっぱいでスケートボードで滑る、回転させる、飛ぶ…、見ているだけで若い息吹をたくさん浴びました。日本の将来は明るい。そう感じたのです。

 写真は変化朝顔の小さな「つばめ朝顔」です。雨あがりに、せいいっぱい咲そろっていました。

 今晩八時から「京都五山送り火」がはじまりました。昨年とおなじように、見物客の密集を避けるため、規模が大幅に縮小されています。大文字の中心に一つ、あと文字の先の四点に炎がともされました。迫力はいまひとつですが、中止にならなくてよかった。ご先祖さまを送ることができます。
これが終わると、いよいよ秋です。

あなたが幸せでありますように 
琵琶湖のほとりの草庵にて
#エッセー #物語 #オリンピック #柔道
#スケートボード #京都五山送り火

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