きれいな満月を見たくて
満月の日だと教えてもらって、ちょっと楽しみにしてた。
夜、窓から見上げた空は曇り空。
時々見える満月にも、すぐ雲がかかる。
まるでかくれんぼのようで、不満。
きれいな満月を見たい。
ベランダに出て周りを確認し、そっと空へ飛び出す。
思い切って雲の上までやってきた。
ここなら、雲も排気ガスもかからない。
かなりの高さだから気温が低くて、空気が薄い。
空の美しさは目を見張るようだ。
目が覚めたような気がする。
月は私に驚いたように明るく輝き、神秘的な美しさ。
地上からは見えない多くの星も眩いくらい光を放つ。
足元の雲の合間から地上の街の明かりがチラつくが、ここでは空の輝きの方が圧倒的だ。
宇宙の壮大な輝き。
風の音以外は無音の世界。
凍てつく寒さの中で震えながら月と夜空に見とれる。
最高の満月。
絵 マシュー・カサイ「きれいな満月を見たくて」水彩
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