穏やかな時間 夕暮れ間近
今日も、もうすぐ夕暮れ時。
小さな子供の頃は、暮行く空を見てもっと遊びたいのにと残念に思った。
または、遠くまで遊びに来ていて慌てて帰りを急いだ。
そんな急いでいるときでも、夕暮れの空の美しさに足を止め呆然と立ち尽くすことが多かった。
今は、夕暮れの光にホッと安らぐ自分がいる。
今日も終わっていく。
振り返っても別に特別な日じゃなかった。
そんな変わり映えのしない、普通の日でも夕暮れ時には日常の緊張感から解き放たれ、力を抜いて空を眺めている。
強いエネルギーを感じる朝日と違って、薄曇りの日の夕陽はぼんやりとしていて目にも肌にも優しい。気持ちもゆったりとしてくる。
街中でもそう感じるが、大好きな海辺だと余計そう感じる。
海鳥の鳴き声も哀調を帯び、さざ波の音も心地いい。
明日がちゃんと自分にやって来るかは、わからない。
身近な人も何人か亡くなっている。
終わりは、見えない内にちゃんと近づいてきている。
いつも意識のどこかにその思いがある。
そんな目で見るせいか、夕陽は切なく、美しい。
僅かな時間しか見れないこの景色を楽しもう。
同じ夕焼けは二度と見れないのだから。
絵 マシュー・カサイ「夕暮れ間近」水彩
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