休日の午後 青空に乾杯
何もしないと決めた休日の午後。
外の明るさに惹かれてベランダに出た。
やはり外は気持ちがいい。
風になびく髪も、風の肌触りも暖かさを感じる。
目に眩しい日の光と青空の深さ。
思わず深呼吸。
思いついて部屋に駆け戻り、缶ビールとグラスを持ってきた。
シュッと軽快な音を立てて缶を開け、黄金色をグラスに注ぐ。
思わず笑顔でアハハと声に出る。
たまには昼間っからビールもいいな。
大空と輝く雲にグラスを差し上げてありがとー!気持ちいいー!
光を通したグラスのビールは美しく輝き芳醇な泡を吹き上げ、まるで天使の飲みものだ。
大空のどこからか、子供の笑い声がした。
マンションのほかの部屋?
ほのかに上気した顔で見渡しても何も聞こえない。
そんな私を見て楽しいのか、やはり空から楽しそうな笑い声がした。
空も休日は楽しいのか?
私は二杯目のビールを、流し込んだ。
まばゆい日差しにしかめた目には、空の雲が追いかけっこしているように見えた。
晴れ渡った休日の午後。
絵 マシュー・カサイ「休日の午後 空に乾杯」水彩
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