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朝日を全身に受ける

熟睡することはない。
頭痛で眠れぬことも日常だ。
おまけに二日酔いも多い。

朝から疲れた気分で起き上がる。

冷たい水で顔をゴシゴシ洗い、コップ一杯の水を飲む。

それから熱いコーヒーのカップを持ってベランダに出る。

風と寒さに身震いしながら、火傷しそうに熱いコーヒーを飲む。

曇りだろうが、雨だろうが構わない。
サッシを大きく開けて部屋にも外気を取り込む。

部屋の中の生ぬるい空気と違い清冽で冷たい外気を胸いっぱいに吸い込む。

背筋を延ばせば、ボキボキと音がしそうだ。
ウーンと伸びをして、ショボつく目を開ける。

朝陽が拝めれば一番いい。
曇り空の不安を掻き立てるような重い雲の動きも好きだし、雨にけぶる憂鬱な風景を眺めるのも好きだ。

でも、縮こまった心身に一番の刺激は強烈な朝日の力だ。
登ってくる朝日の光は強いエネルギーを全身に当ててくれる。

眩しくて直視はできない。目が痛くて涙がにじむ。鼻の奥がツンとする。

瞼を閉じても、瞼の血肉を通して暖かく強い白光が脳をジワリジワリと刺激してくれる。
意識が活性化され、全身に血が巡り出す。

浄化されてる。

精神がシャンとしてきてちょっと前向きな気分にしてくれる。

気持ちいい。

ヒマワリや朝顔がお日様に向くのがわかる。

今日もなんとか生きられそう。


絵 マシュー・カサイ「朝日を全身に受ける」 水彩・ペン


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