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もう5月だけど①坂口安吾「桜の森の満開の下」
こんにちは。
気づけばもう5月・・・
4月は忙しかったので桜を愛でていません(*T^T)
ということで、4月書きたかったけど書けなかったことを書きます!(3回書く言うた笑)
私の好きな、桜小説。それは・・・
坂口安吾「桜の森の満開の下」
梶井基次郎「櫻の樹の下には」
小泉八雲「乳母ざくら」「十六ざくら」
です。どれも昔の小説です。
大正~昭和初期あたりの文学が好きなのです。多少時代は前後しても、好きなものを集めると大体この辺り。
遠いような、近いような・・・そんな距離感がきっと合うのだと思います。同じように、外国の小説もそうですね。リアルではわからないのに、近くに感じる・・・そんな感覚です。
坂口安吾「桜の森の満開の下」
荒々しい山賊の男。人や村を襲い、奪い、怖いものなどないはずなのに桜が満開の季節になると、その下を通り抜けるのがどうにも恐ろしい。気が狂いそうな不安に駆られる。どこからくるのだろう?考えようとしても、男はぼんやりしてしまって考えることができない。
そのまま数年が過ぎ、ある村を襲った男は一人の美しい女に一目惚れしてしまい、その夫を殺し自分の女房とする。男には女房がたくさんいたが、女は男に命じ皆殺しさせた。
男は女が恐ろしくなってしまう(なのに逆らえない)
女は山が退屈なので都で暮らしたがった。都に出た女が欲しがったもの、それは女の生首だった。言うことを聞いて、若い女を殺しては生首を女に献上していた男だがとうとう恐れをなして山に帰ることに決めた。
女はもう男なしでは生きていけないので男に背負われて山に向かう。
途中、桜の森の満開の下を通過せねばならない・・・怖い怖い。そんな気持ちを抱えながら走り抜けようとしたら背負っていた女が重くなる。
振り返ると、女は紫色の鬼になっていた。
男は女の首を絞め、息を絶えさせる。
すると、鬼の姿は美しい女の姿に戻った・・・・
男は泣いた。初めて泣いた。その感情はどういったものかわからない。女の姿は、桜の花びらとなって散っていった・・・
と、かなりざっくりあらすじを書きましたがこのような美しい怖い儚いお話で、もう、めっちゃ美しい文体でラストなんかたまりません!!!いつまでも余韻が残ります。
女は鬼だったのか、桜だったのか。男が桜の森を怖がっていたのは、だからなの?
出会うべくして出会ったのか。
男は愛していたから、泣いたのかな。
安吾は他にも寓話っぽいお話を書いていて
「夜長姫と耳男」も素晴らしく怖美しいお話ですーーー!!!
安吾は、映画化されたお話もあるし色々なものが書ける作家ですが私は彼の怪奇幻想なお話が大好き。
あと、ニヒルはお話も好きです。
安吾は飄々としていて、冷めた文章で淡々と綴っています。
「青鬼の褌を洗う女」は、谷口の「痴人の愛」に並ぶと個人的には思っています!!サチコさんはナオミより現実感あり現代的。戦後間もない時代が舞台だけど。
と、語っていたら長くなってしまったので(^▽^;)
また次回、梶井基次郎について書きます。
梶井、カッコイイんだよね~♡
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