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歌集「青いコスモス」。

明日は、11月9日は、歌人・田中雅子さんの命日です。
とても好きで、思い入れのある方で
もちろんお会いしたこともないし
田中雅子さんの歌を知ったのは亡くなってから随分と経ってからです。

キッカケはもうわからないのですが、何かで彼女の短歌を知り
たまたま購入できた、歌集「青いコスモス」。

一般には出回っておらず、現在はおそらく廃版でしょうか?

購入できたこと、そして
歌集が届いた日が、田中雅子さんの命日だったことで
私は勝手に、失礼ながら、運命を感じております。

私の中で、シルヴィア・プラスと田中雅子は別格であり
大切に大切に読んでいる本です。


50歳で亡くなった、田中雅子さん。

彼女はどのような人だったのだろうか、というのは
ネットで検索してもほとんど出ない。
歌集も2冊出しているけれど、出回っていない。

だから想像するしかないのだけれど
優しさと思いつめた表情、一途さ、悲しみが
本当に!波紋のように読む人の心に広がっていく短歌を作る方です。

精神を病んだ双子の姉。母。そして
ずっとずっと、何十年も想っている「君」。

この3人に関する歌がほとんどのとても狭い世界。
明るくはない、でも暗くもない。
切ない。書くことで保っているようなギリギリ感がある・・・

好きな短歌はいくつもあるけれど

揃えたる靴底に溜まるさびしさを告げたき人は月ほど遠い

明日はまたどんな形で崩れるかわからぬ家族に米を研ぐ音

君揺らす何物も持たず開きたる本の文字散る夜の瞬き

染み入ります、静かに。。。。

明日は仕事で書けないので
今晩書きました。皆既月食も見ました。

雅子さんだったら
皆既月食を「君」と見たかっただろうと思います。


雅子さんは河野裕子さんの教えを受けていました。帯は河野さんの夫で歌人の永田和宏さんでした。


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