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その場その場で、自分のベストを尽くしてきた。次はパッションを持って夢の実現へ

#ポジティブシンキング #パッション #カフェ #フレンチ #ライフデザイン #インタビュー #働く女性  

「これからどうしよう?」と迷ったとき何かのヒントを見つけてもらえればという思いで【L100】自分たちラボが紹介してきた「身近にいる普通の働く女性たち」のキャリアや人生についてのインタビューエピソード。

今回は、オーストラリアへの旅でカフェに目覚めたことで、飲食店の世界に入ることとなったあきこさん(仮名)のエピソードです。目前の50歳を大きな節目ととらえ、頭の片隅にあった自分の店のイメージを現実化していこうとしているあきこさんの見ている未来とは?

あきこさん(40代後半)*インタビュー当時
経歴: 大学ではITを学び、IT系の会社に就職。その後、結婚・離婚・転職・転職先の閉業などを経験。友人の誘いで行ったオーストラリア旅行がきっかけで、カフェに目覚める。帰国してカフェのアルバイトとして飲食店の仕事を始め、現在はフレンチのお店でサービスを担当している。一人暮らし。

―――今回、ライフヒストリーや人生曲線を書いてみていかがでしたか?
ポイントポイントでの出来事が、今の私につながっていると思います。
たとえば、高校生の時に交通事故にあって、ここでちょっと私の性格が変わりました。ショック療法ではないですけど、それまで内気だったのに、そこから徐々にはじけたというか、そういうポイントでした。
結婚して離婚したことも、今思うと良かったと思います。結婚する時より離婚の方が大変でした。30代で曲線が下がっているところです。そしてすごく下がっているところは母が亡くなった時です。そういうポイントで、改めて自分を振り返っているのだと思います。

―――人生曲線は、全体的に上り坂になっていますけど?
そういうふうに考えたいということなんです。老いもあると思いますけど、それまで生きてきた積み重ねが今の自分になっていると思うので、徐々に良くなっていると思いたい。昨日より今日、今日より明日という考えでいます。

あきこさんが描いた人生曲線

働く上でも生活する上でも大事な言葉をもらった

20代:最初の就職

―――最初の就職は?
最初にIT系の会社に入りました。そこでもらった言葉たちは、その時は若いからわからなかったのですが、後々、言っていた人の年齢に近づいてくると「こういう意味だったのか」とわかってくるものがあります。働く上でも生活する上でも、非常に大事な言葉たちが、自分の中に残っています。

―――たとえば?
就職したての最初の配属先の部長に言われた、「希望しない部署であっても、今いる場所で自分に何ができるか考え、仕事してください」という言葉は、印象に残っています。その時は「そうか」くらいしか思っていなかったんですけど、その後転職していろいろな仕事に就くときに、最初に思い出される言葉です。希望して就職をしても状況が違うということはある。その中で自分に何ができるか、という考え方を教えてくれた言葉です。
あと、「パッションを持って、やれ」というのも印象に残っています。多分その時、私にパッションがなかったんだと思います。「刹那、刹那だ」とも言われたんですが、物事を継続的な視点で見ていなくて、その時、その時でしか仕事を見ていないというこということを指摘されたと思います。

いろいろあった30代。ポジティブな言葉に救われた

30代:結婚・離婚・転職

―――その後退職されたのは?
IT系の会社から花屋を始めた知人がいて、その花屋で働かせてもらおうと思い、退職しました。ちょうど30歳という一区切りの年齢で、何か変えたかったんだと思います。
その後結婚して、夫の転勤で関西の方に行ったんです。働いていた花屋を辞めたくなくて一緒に行くのを渋っていたんですが、結局行くことになって。いずれ東京に戻りたかったので、そこでは就職ではなくアルバイトという形で洋菓子の販売や花屋などをやっていました。その後、こちらに戻って離婚しました。
離婚後、40代で、正社員としては2回目の就職をしました。フランス産のチョコレートの販売をしていたのですが、店が閉店してしまうことになって辞めざるを得なくなりました。その後、次の就職をするまでの間もアルバイト。常に何か仕事をしているという状況ではありました。

―――そういった転機の時に気持ちを上向きに保ったきっかけは?
友人や周りの人の影響があります。前向きな人が多くて。というか、そういう人の言葉が入ってくるんです。「大丈夫だよ、なんとかなる」といった言葉。落ち込んでいる時は、どうにもならないと思うけれど、「大丈夫、なんとかなる」という気持ちにしておけば、本当になんとかなる。今まで小さなことでもそういう経験があったし、上向きになるきっかけは友人たちの励まし、言葉です。
離婚のときは、すごく落ち込んだわけではなかったけど、住むところ、仕事を探すことに必死で、それが気分を変えることになったように思います。
大学時代に知り合った親友や、20代のときに趣味のフラワーアレンジメントで出会った友人たち、今もポジティブシンキングな人とつながっています。

オーストラリア旅行で“パッション”に触れ、飲食業の世界に

30代後半~40代:新しい世界へ

―――その後の転機は?
チョコレート屋が閉店になったあと、大学時代の親友が誘ってくれてオーストラリアに旅行に行ったんです。そこで、カフェに目覚めました。
オーストラリアってカフェの文化が非常に発達していて、どのカフェに行っても、レベルの高いコーヒードリンクが同じような値段で飲めるんです。それで「なんでこんなに美味しいものができるんだ?」とカフェの人たちに聞いたら、必ず「パッション」と言うんですよ。もちろん技術やコミュニケーションもあるんでしょうけど。昔、私はパッションがないと言われたけれど、ここの皆さんはパッションを持って仕事をしている。「そういうことか」って理解につながっていきました。
帰国後、日本でオーストラリアスタイルのカフェがないかと探したら、当時はなかったんです。一つだけみつけてそこに行ったらスタッフ募集の貼り紙があって、そこでバイトさせてもらうようになったのが、飲食店の世界に入るきっかけになりました。

―――その後もずっと飲食店のお仕事なのですか?
カフェのアルバイトの後、フランス料理店に就職しました。ここは3年いて、今年辞めました。辞める時に「あなたがいるから、お店に来ているのよ」とお客様に言ってもらって、私の気持ちが届いていたんだととても嬉しかったです。今は、カジュアルなフレンチのお店で働いています。

―――事前に書いていただいたヒストリー表に、「無いものに目を向けるのではなく、今自分が持っているものに感謝をしよう」という言葉を「印象に残った言葉」として書いていただいていますね?
その言葉は、40代の中くらいにぼんやりとどこかで見て、今、自分の中で咀嚼しているところなんです。20代、30代の若い時には人と比較して落ち込むことがあると思うんですけど、今持っているものに目を向けると、非常に自分は恵まれていると思える。自分はこれができるとか、これがあるとか、これを強みにするとか、内面に目を向けるように、考え方を変えてくれた言葉です。
今年50歳になるのでちょうど半世紀。棚卸しのタイミングもあって、この言葉を今噛みしめている状況です。

―――40代では、お母様が亡くなったのも大きな出来事だったんですね?
離れて住んでいる時期がほとんどだったんです。高校を卒業して、隣の県の大学に行って家を出て、就職は東京になってしまったので。遠くから見守っていてくれたという印象が強いですね。「あなたはこういう性格よね」とぽろっと言われる言葉で、ちゃんとわかってくれているんだという安心感がありました。結婚、離婚のときも、見守ってくれていてことがありがたかったです。父は今も元気で、畑をやったり、まめにご飯をつくったりしています。

人が集う場、ポジティブになれる場を作りたい

今後について

―――これからについてはどのように考えていますか?
死ぬまではずっと上がっていければと思っています。
50歳って半世紀ですから大きな節目ですよね。去年くらいから50歳以降何をしようかと考えることが多くなりました。夢としては自分のお店、人が集う場所を作りたいと思っています。飲食店になるのか、物販か、形態はわからないですけど、私が友人たちにもらったようなポジティブな考え方を、お店に来る人に与えられるような、そういう場所を作りたいです。
どこかに勤めていると守られるものがあるのでいいんですが、オーストラリアに行った頃から頭の片隅にあったことをそろそろ実行しなければと思っています。それを50歳の決意にしようかと。

不本意な場であっても、ベストを尽くしていれば必ず自分のためになっている

女性たちへのメッセージ

―――今、迷っている女性たちに何かアドバイスやメッセージがありますか?
私が最初に部長にかけられた「今いる場所で自分に何ができるか考え、仕事してください」という言葉を、仕事で悩んでいる人がいれば伝えてあげたいです。
自分が不本意な場であっても、自分がベストを尽くしていれば、自分の人生で忘れた頃に思い出すなど、自分のためになっている。そこで不平不満を言うよりは、その中で何を自分ができるのかを考えてやる。それは絶対に自分のあとの経験につながってきます。
反面、そつなく何でもできることが良いと私の中では思っているところがあったんですけど、ここ数ヶ月の間に、自分のキャパを考えて、何でもできるというのが良いわけではなく、できないものはできない、できる人にやってもらおうという考えになってきました。

―――そう思うようになったきっかけがあったのですか?
今、新しく働いているところで考え方が変わったんです。それまでは、何でも自分でできちゃうわ、みたいな考えだったんですけど、今のところで働いたら、素晴らしい人たちがいて、それはその人にお任せしようと思うようになりました。自分がその人のようにできるかというとそこまでの能力はないので、その人を見て今勉強しています。

―――今日、インタビューに参加してみていかがでしたか? 
ちょうど自分の振り返りにもなると思ってインタビューを受けました。とりとめなく話してしまいましたが。私、性格なのか、やはり刹那、刹那で、計画して進んで来ていないと思いました。でも節目の年になるので、この先のことを友人と話したりし始めています。

(*文中の写真はイメージです)

インタビュアーズコメント

 最初に就職した大きな組織で教えられた「そこで自分にできること」を考える習慣が、業界を変えても生活の上でもずっと役立っているというのが興味深かったです。周りの人のポジティブな言葉をキャッチできるのがあきこさんの強みだと思いますが、今度は周りの人にポジティブな気持ちを持ってもらえるような場を作っていきたいとのこと。その夢は、とても素敵だなあと思いました。夢を実現させて、そんなパッションを伝えていって欲しいと思います。

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