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[2021バイヨンヌでサマースクール⑤]体調を崩す

勉強を楽しんでいた6月の終わり、突然体調を崩してしまいました。

朝起きると、下唇だけ2倍に膨れていたのです。



疲れが溜まっているのかな?

それとも蜂に刺された?

食べ物にかぶれた???



土曜日で学校がお休みだったので1日ゆっくり休んだのですが、

翌日、なんと下唇が3倍になっていました。



さすがに心配になり、とりあえず薬局に行こうと思っても、日曜は基本的にお休み。


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この地域で日曜日に営業している薬局がわからない上、検索しても見つかりません。


ああパリなら薬局も病院もわかるのに。。。


よく知らない土地で体調に異変。
不安が頭をもたげます。


そこで「唇の腫れ (しかも下唇だけ)」の原因を検索。

すると「帯状疱疹かも」という文字が。。。



えっ、怖い。。。どうしよう。。。


もはや日本に帰りたくなりました。


飛行機のチケットを調べたり、2週間のホテル待機の値段を調べたり。


2週間のホテル滞在費が10万円以上。
しかも食事が作れないので、プラスでホテルのレストランもしくはお弁当代。。。



ああ、コロナが落ち着いて正常になってくれないと、安心して帰国することもできません。。。シクシク(涙)



この世にたった独りぼっちな気持ちに。。。



と同時に、自分の親よりも先に死ぬ訳には行かないので、なんとかしなければという思いがムクムク。。。


そこで、パリに住む友達にメッセージと写真を送り、彼女のお友達のお医者さんに聞いてもらいました。



美人のパリジェンヌの彼女は、現在婚活中で、たくさんのお医者さんの知り合いがいます。ありがたや。

何人かのお医者さんに聞いてくれたのですが、

皆揃って言うことは「炎症が喉に広がって気道を塞ぐと危ないから薬を飲んだ方がいい」とのこと。

(私もそれが怖かった。。。)

そして「とにかく救急病院に行きなさい」とのこと。

(いただいたアドバイスはごもっとも。。。)

異国の地で1人じゃない安心感で少し落ち着きました。



パリと違ってバスク地方ではあまり英語が通じない為、そんな土地で救急病院に行くのは少しハードルが高く、実際金額がどのくらいかかり、どこまで私の加入している保険でカバーされるのかも気になります。


幸いなことに同じ学生寮に滞在しているクラスメイトから炎症を抑える薬をもらうことができ、服用することができました。。。感謝。。。


とりあえず薬を飲んだので、病院へは翌日、学校に病院の場所などを相談してから行くことにしました。


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翌朝、学校で先生に相談すると、まずはダイヤル15番で対処方法のアドバイスをもらうことを勧められました。


(こんな時も先生は絶対に英語を使わないので、体調が悪いけれど必死でフランス語を聞き取りました)


知らなかったのですが、フランスでは火傷したり、すぐに病院に行けない時に、電話で対処法を無料相談できるそうです。


S.A.M.U. (サミュ)
フランス全土共通の電話救急医療サービス
ダイヤル「15」無料


さっそく電話してみると、腫れた様子を見ないと判断が難しいからすぐに医師に見てもらったほうがいいと言われました。笑


ちなみに、15番に電話したので、私の症状はファイルされ、救急病院でも共有されるそうです。


学校の先生が気を利かせて、大学に滞在しているドクター(保健室みたいな感じ)に診察してもらえるように話をつけてくれ、

すぐに診療してもらうと、とりあえず帯状疱疹の感じではないとのこと。

飲み薬と消毒うがい薬を処方してもらいました。


診療が終わった頃、15番で話した担当者から折り返し電話があり、ドクターの見立てを聞かれました。

たまたま良い担当者に当たったのかもしれませんが、折り返しの電話があったのは嬉しい驚きでした。


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さて次は、処方箋を持って薬局へ。

私は化学薬品のアレルギーがある為、普段は薬ではなく、ハーブやアロマテラピーなどの自然療法で治すのですが、今回のような炎症にはもちろん科学の力を借ります。


でも、薬の服用は心配だったので、ハーブ薬局も兼ね備えている処方箋薬局に行きました。

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ハーブ薬局はフランス語で、Herboristerie(エルボリストリ) といいます。


処方薬について聞いてみると「消毒うがい薬はいいと思うけど、この飲み薬は必要かしら?」と言われたのですが、


その言葉を聞いて「異国の地で、なんの炎症かわからないので、薬を飲んでおきたい」と思い、処方箋通りの薬をもらい、薬局で勧められた塗り薬も購入しました。


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↑うがい薬


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↑抗生物質


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↑塗り薬


これでひとまず落ち着くかなと思ったら、なんと翌日、上唇までもが腫れあがってしまったのです。


学校に行く気力もなくなり、1日授業を欠席。


クラスメイト達が心配してメッセージをくれ、夕方、アシスタントの大学生の女の子から電話が来て、明日の夕方救急病院に付き添ってくれることになりました。感謝。


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↑クラスメイトたち


救急病院に行く日の朝、唇の腫れが少し良くなっていました。

それでも、きちんと検査をしたかったので救急病院へ行ったのですが、

少し待って自分の名前が呼ばれると、ドクター風の人が窓口に出てきて「処方されている薬も間違いないし、良くなってきているならそのまま様子を見てください」と言われて診療はしませんでした。

付き添ってくれたフランス人の女の子も押しが弱かったし、私も会話を聞きながら「どんどん良くなってきてる感覚があるからもういいかな」という気持ちになり、次回日本に帰国できる日が来たらしっかり検査をしようと心に決めました。


それから2週間ほどで無事に完治。


以下、学校の先生に聞いて教えてもらった情報です。

Useful Memo「フランスの救急医療」

S.A.M.U. (サミュ)
フランス全土共通の電話救急医療サービス (無料)
ダイヤル「15」
pharmacie de garde (無休の薬局の名称)
S.O.S médecins 緊急自宅往診
<初診料>
通常 35€〜
日・祝 55€〜
夜中 85€〜
救急車 85€〜
・位置情報をオンにしてGoogle 検査すると、最寄りのエリアのS.O.S médecinsがいくつか出てきました
バイヨンヌの救急病院(24時間)
Centre Hospitalier de la côte Basque Service des Urgences
https://www.ch-cote-basque.fr

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↑Center Hospitalier de la Côté Basque 


※金額はいずれも大体の金額なので、参考程度にしてください

※フランスの健康保険に入っていると無料になるサービスもあります

※日本から留学した場合は、日本で加入した海外旅行保険の約款に記載されたフリーダイヤル(日本語)に電話をすると、病院を予約してくれます。必要であれば医療通訳も手配できます。海外旅行保険の証書もお忘れなく!契約番号が必要になります。この番号がないと、保険でカバーされる治療内容だったとしても、実費立替で帰国後の精算になってしまいます。



それにしてもなんで腫れたのかしら。

食べ物当たったなら口全体が腫れるはず。

でも下唇が腫れているだけで、熱もなく、他はとても元気です。

唯一考えられることは、

実は私は「学生寮の騒音」問題を抱えていました。

学生寮では、毎日毎日夕方から朝4時まで大音量の音楽で中庭でパーティーをしていたのです。

ちょうど学期末なのと、ロックダウン明けでみんなで飲んで騒ぎたい気持ちが一致して爆発している感じでした。


そんなこんなで、朝6時半に起きなければならない私は、バイヨンヌに着いてから全く寝れず、ものすご〜く寝不足だったのです。


朝方までの音楽、話し声、奇声、タバコやその他の煙の臭いがモクモク。。。

私は本当に騒音がストレスになって現れるんだなと確信した事件でした。


要領がパリと違うので大変な思いをした今回の体調不良。

でも大切な学びがありました。

たくさんの方々に助けられ、人は1人では生きられない、と深く実感した事がひとつ。

お世話になった方々にガトーバスクをプレゼントすると、喜んでくれて嬉しかったな。

色々なお店でガトーバスクを購入できますが、今回は、救急病院に一緒に行ってくれた女の子が大好きと言う、このお店のものを購入しました。

Pâtisserie Lionel Raux
7 Rue Bernadou, 64100 Bayonne

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↑店内の様子


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↑バスク地方の伝統菓子ガトーバスク



そして、今回の体調不良で学んだことはもうひとつあります。

この経験を通して、この地域で暮らしても大丈夫かもしれない、という予感と自信にも繋がったのです。



(つづく)

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