小さな命の灯し火 【 見送ってきました 】 ( 愛犬との最後の記録 完 | 2024年1月26日 )
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2023年12月28日、余命半年と診断された愛犬ここちゃんとの生きる今を書いています。
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2024年1月26日、午後。
10年間、人生をともにしてきた愛犬のここちゃんが天国へ旅立ちました。
今は、僕のそばにある棺の中でただただ静かに眠っています。穏やかな可愛い顔つきです。
明日は火葬場に行くのでこの姿を見られるのも今日が最後です。
容態が急激に悪化したのは2日前の水曜日の夜。
駆けつけた病院で告げられたのは急性腎不全。がんの併発でした。老犬の急性腎不全の余命は2、3日。ついにその時は来たのでした。
昨日、今日の午前と坂道を転げ落ちるように急速に容態は悪化。食べること、飲むこと、歩くこと、ができなくなり、体重は5キロ減少しました。
目も虚ろになり、死期が近づいてくるのは明白でした。
この間、僕もほとんど一切睡眠を取らずに看病にあたりました。苦しむ声、繰り返す嘔吐、下痢、いつ亡くなるか分からない恐怖。
どうやって助けてあげられるか、そこが問題ではありませんでした。いかに楽に死なせてあげるか、僕にやれることはそれだけでした。
このまま苦しみながら自然に亡くなるのを見届けるか、病院へ行って医療的措置をうってもらうか。究極の2択のうちの1つを僕は選びました。
「ここちゃん、病院に行こうか」
そう言った瞬間、僕は泣き崩れ、今にも逝ってしまいそうな弱々しいここちゃんを抱きしめ、号泣しました。
「ごめんな。ここちゃんごめんな···。これでお別れやな···、ごめんな···ごめんな···許してな···」
涙を拭い立ち上がれるまで途方もなく時間がかかりました。本当のお別れの時間が来たのです。
雪がちらつく中、ここちゃんを毛布に大切に包み、抱っこして病院まで歩く。僕が震えていたのは寒さではなく、別のものだったのかもしれません。
病院へ着くとしばらく怖くて入れませんでした。
引き返そうかとも思いました。でもここで自分の決断を信じなかったら、たぶん自分は潰れてしまう。そんな風に思い、中へ入りました。
順番が呼ばれました。
まだ泣くわけにはいきません。
診察、容態の最終確認。今にも息が止まりそうなここちゃんの浅い呼吸とふにゃふにゃの体。
「やはり腎機能が完全に停止していますね。もう打つ手はありません」「では処置を続けていきますね」
「先生、この状態で病院に処置を委ねるのはあまりにも残酷ですか ··· ? この状態でも自然に死ぬのを最期まで見届けるのが飼い主の義務ですか ···? 」
病室に緊張感が走る。
「他に手立てがあればそれを考えるのも義務かもしれません。でももうここまで来れば、ここちゃんを楽にしてあげたいという◯◯さんの思いと決断は、少なくとも僕はおかしいとは思いません」
その時、心の中で、プツンッと音がしました。
僕の中の緊張の糸が切れ、罪悪感がほどけてきたのでしょう。やはり涙が溢れてきました。
もがき苦しんで選んだ自分の決断に対し、「間違いじゃないよ」と言ってもらえた気がして初めて救われたのです。「これでいい」、そう思えました。
「分かりました。お願いします」。僕が出ていくとドアが閉じられました。
「◯◯さん、どうぞ」
目の前のここちゃんは「変わり果てた姿」ではありませんでした。まるで眠っているかのような穏やかな顔をしていました。
「苦しくなかったんやね、よかった」
撫でてやると、涙が手の甲を伝い、ここちゃんの頭の上に落ちました。その頭はまだ温かかった。
病院の方が、簡単な棺を用意してくださり、中にここちゃんを寝かせて蓋をし、医師含めスタッフ一同で見送ってくださいました。
棺は来る時に抱っこしてきたここちゃんの重さより軽く感じられました。
帰宅し、保冷剤を敷き詰め、花を買いに行き、好きなおやつやボールを入れると、ようやくそれっぽくなりました。
ふう~、急にお腹が空いてきました。
そういえば僕も3日3晩、ほとんど何も食べてなかったな。体重計で図ると3キロも落ちていたので驚きました。
まぁ、いいか、時間も遅いし今日はここちゃんと最後の晩酌でもしようか。こんなものも並べながら。
「ここちゃん、よくがんばったね、乾杯 ! 」
本当に本当に10年間、ありがとう。お疲れさま(^^)
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【 追記 】
命日翌日の今日、火葬をして、家に帰ってきてくれました😊随分と小さくはなりましたが、そばにいてくれるだけで幸せです。
魂は天国へ行ってしまったけど、僕はこれから毎朝、毎晩、この骨壺の前で手を合わせ、ここちゃんの幸せを祈り続けます。
(ここちゃんへ)
たくさんの幸せをありがとう。
天国で思いっきり走り回って遊んでね😊
犬見知りも克服してたくさん友達作れたらいいね。
たまにでいいから夢の中に遊びに来てね🌠
【 2024年1月27日 虎吉パパより 】
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