【 エッセイ 】 チョコボールにハマる
先日、メルカリで衝撃の商品を見つけた。
チョコボールのエンゼルマークだ。銀のエンゼル5枚で1000円程度、金のエンゼルで2000円程度とそれほど高くない値段で売られているではないか !
お金で何でも手に入る事実に愕然とした。
エンゼルマークを売り買いして簡単に手に入れようなんて、チョコボーラーの風上にも置けない。
現在、私は地道に1日1箱のチョコボールを買ってせっせと集めているところなのだ。
定期的に訪れるマイブームの1つで、今、私はチョコボールのエンゼルマーク集めにはまっている。金のエンゼル1つないし銀のエンゼル5枚を集めてキョロちゃんグッズがもらえるというもの。
ちなみに今現在のグッズはこちらの「プログラミングキョロちゃん」。あらかじめ歌をプログラミングすることで歌を歌ってくれるという令和時代らしい画期的なキョロちゃん人形である。
きっかけは父のキョロちゃん好きである。
父は昔からキョロちゃんグッズには目がなく、必死にエンゼルマークを集めてはおもちゃの缶詰をゲットしていた。
そんな父にこの超ハイテクキョロちゃんをあげたらどんなに喜ぶだろうと思いつき今年に入ってから地道にエンゼルマークを集め始めたのである。
自分用にもぜひ1つ欲しいのだが、それは一旦、後回しに考えている。
チョコボールを買ったのは子どもの頃以来と言ってもいいほど久々だったが、味もほとんど変わっていないことにまず非常に驚いた。
最近の物価高騰で値段こそ上がっているものの、商品自体は私がよく知っているあのチョコボールだった。ロングセラー商品恐るべしである。
さて、実際に買ってみるとやはりほとんど「外れ」である。1日1つ買うことにしているが、始めて3日目くらいのいわゆるビギナーズラックで銀のエンゼルが1つ出たっきり、全くツキに見放されている。
試しにネットで調べてみると、公式発表はされていないものの、多くのサイトでエンゼルが出る確率を検証したものがあった。それらによると、銀が約5%前後、金はもっと低いということだった。
つまり、金はともかくとして、銀をゲットするためには20箱買う必要があることになる。毎日買うとしておよそ1ヶ月に1つという計算になる。5つ集めるとなると相当な時間を要する。
それならいっそネットで箱買いした方が効率がいいのでは ? と思われるかもしれない。もっと言えばメルカリで買えば ? という身も蓋もないご意見も聞こえてきそうだ。
しかし、そういうわけにはいかない。
チョコボールのエンゼルは集める過程にお金や効率性には代えられない面白さがあるのである。
くちばしを開ける時のドキドキワクワク感、これは1つずつ買うからこそ感じられるものである。
まとめ買いやメルカリ買いをしてしまうとエンゼルを集めるという日々の楽しみが単なる作業になり下がってしまう。
外れた時のがっかり感があるからこそ当たった時の喜びも倍増する。なかなか当たりにたどり着けないもどかしささえも楽しみに変わるのがこの集め方の醍醐味なのである。
よく物事においては「目的と手段が逆転してしまってはいけない」と言われるが、チョコボールに関してはむしろその方がいいのだ。
つまり、おもちゃの缶詰をゲットするために(目的)エンゼルを集める(手段)のだが、エンゼルを集めること自体を楽しんで(目的)、その楽しむモチベーションとしておもちゃの缶詰という成果物を利用する(手段)という風に考える。
地道な道のりであるが、これが今や1日の始まりである朝のささやかな楽しみになっている。
1度はまったらなかなか抜け出せない性格である。
はまりすぎて3体くらいのキョロちゃんがハモリながら歌い出したら手がつけられない。それはそれで面白そうではあるが(笑)。
いつの間にかゲットしたキョロちゃんを父にあげるという目的さえも忘れてしまいそうなので、今日のところはこの辺りで切り上げたい。
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