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人参を、食べよう!

冷蔵庫を開けた。野菜室を開けた。

中には1kgほどのパックに入った人参があった。

この人参、いつ買ったっけ?今週はまだ買い物に行っていない。先週?違う。この人参は特売で買ったのだ。先週は人参の特売はなかった。

ということは、先々週?10日以上前?

ということは、ここ10日間、私は人参を食べていない?

ありえない〜!!

人参の葉っぱを買っていた

我が家には4ヶ月前までウサギがいた。

ウサギといえば人参だ。

いや、違う。ウサギにとって人参は甘すぎる。糖分が多すぎる。ウサギには人参ではなく葉物野菜を与えるべきだ。

とはいえ、人参の実が好きなウサギは多いのだ(全てのウサギが人参好きではない!どうしてウサギ=人参になったのだろう?)

我が家のウサギは人参の葉が大好きだった。だから私は毎週2束の葉付きの人参を買っていた。欲しかったのは人参の実ではなく、葉っぱだ。

葉っぱのない人参はよく売られているが、実のない葉っぱだけの人参は売られていない。

仕方ない。

実のついた人参の葉を買うのだ。もちろん、買う時は「たくさん葉っぱがついているか?その葉っぱは新鮮か?」を基準に選ぶ。

実の方は、どうでもいい。大事なのは葉っぱだ。

わさわさと葉っぱのついた人参の束を、葉っぱを落とさないように丁寧に袋に入れて持って帰る。

帰宅すると葉っぱをきれいに洗って、水分を拭いてからウサギにやるのだ。

一目散に人参の葉にとびついてくる我が家のウサギHAPPYの姿が思い浮かぶ。

人参の実が余る!

どんなに葉っぱがわさわさと大量についた人参を買ってきても、ウサギの食欲は旺盛で、あっという間に人参の葉っぱを消費してしまう。

冷蔵庫には「葉っぱがついた状態で売られていた、葉っぱがなくなって実だけになった人参」が大量に残っていることが多かった。

そこで、人参しりしりやサラダにしたりスープにした。

友人にあげたこともあった。

一度、息子の友人がバースデーパーティーをするというから、大量に人参をあげたら、とても甘くて美味しかった!と喜んでくれた。

学生にはヴィーガン食にしている人が多い。パーティーで人参スティックも人気らしい。

シニアウサギの世話をしていて

ところで、私は先ほど「ウサギに人参の実は糖分が多すぎる」と書いた。

ウサギには繊維質の多い食事を与えるのが基本なので、人参の実はウサギの餌としては理想的ではない。

だが、ここは冬の長いドイツ。夏には葉つきで売られていた根菜は実だけになり、サラダなどは高価になる。

たんぽぽなどの雑草、野草も生えていない。

新鮮な野菜や雑草が手に入りにくくなる冬には、一年中比較的安価で売られている人参(オレンジ色の実の方のことだ)はとてもありがたい。

我が家のウサギはどの子も人参の葉だけではなく実も喜んで食べていたので、毎日のように人参も与えていた。

おやつのようなものだ。

人参はそのまま、あるいは輪切りにして与えていた。ドイツの人参は細い。(余談だが、日本のスーパーに行って改めてニンジンを見て、その太さに驚いた!)

その直径2cmくらいの人参、ある日を堺に、シニアの仲間入りを果たしたウサギのHAPPYが食べなくなったのだ。

翌日も、その翌日も、ウサギが人参を食べない。葉っぱは食べるのに。

「ウサギが人参の実を食べなくなってしまった!」と訴えたところ、とあるSNSのフォロワーさんが「シニアのウサギなら、もしかしたら太い人参が苦手になったのかも。薄くスライスして与えるといいよ」というアドバイスをしてくれた。

あたりだった!教えてくれたフォロワーさん、ありがとう!

人参をピーラーで薄くスライスしてウサギに与えると、食べてくれたのだ!


シニアウサギHAPPYと朝食

それからというもの、毎日3本くらいの人参の表面をピーラーで薄くスライスしてウサギに与えた。

皮を剥いた人参をさらにピーラーで薄くスライスしたが、実を残すことなくスライスしたわけではない。1本の人参につき、スライスしたのは数枚程度だ。

その残った人参は人間がおやつに食べた。

外側の甘くて美味しい部分はウサギの、芯に近い味の薄い部分は人間の担当となったが、とにかく食べた。
毎日、家族全員が1本以上の「人参の芯の部分」を食べた。

人参を、食べよう

ウサギの餌の残り人参が存在しなくなった。

誰もわざわざ人参を食べようとしなくなった。

以前も書いたが、これはまずい!

今ならネットで情報を拾うのだろうが、ドイツに行く前、私はドイツに関する本を読み漁った。

その中で「ドイツの子供のおやつ」「ドイツの子供が学校に持っていく食べ物」として人参が挙げられていた。

生の人参だ。丸齧りすると言う。

「信じられん!そんなまずい物を食べるのか?」

その頃の日本の人参は主に煮物に使われていて、太かった。生で食べるなんて、しかも丸ごとなんて想像することすらできない。

ところが、ドイツ人家庭の食卓に出てきた人参を見て驚いた。

細くてオレンジ色をしたその人参は「キャロット」とおしゃれに(なぜ英語にするとオシャレになるんだ?)呼んであげたいくらい、ジューシーで甘くて美味しかったのだ。

肉じゃがかカレーに入った人参しか知らなかった私は、このキャロットの味に驚いた。

大嫌いだった人参が大好きになった。


細いニンジンと太いキュウリ

人参、それは「最も健康なおやつ」のうちの一つらしい。

甘くて美味しくて、比較的安価。しかも冷蔵庫に入れておけば結構長もちする。

料理らしい料理をしなくても、人参スティックにするだけでボリボリと食べれる。ディップもなくても美味しい。

そうだよ、

人参を、食べよう!


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