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BCPについて考える①
新型コロナウイルスの発生により、大混乱に陥ったことは記憶に新しいと思います。未知なるウイルスに不安を覚えながらも、感染防御資材は品切れになって購入もままらなくなり、市内の訪問介護事業で行なった緊急のアンケートでも、事業所が潰れてしまうのではないかという切迫した声が多く上がりました。
流山市での訪問介護事業所の動きに関しては、人とまちづくり研究所の方々が特集してくださり、アンケートの結果も記載されているので、是非ともご覧になっていただきたいのですが、スタッフで陽性者が出てしまったら、風評被害も加わって事業所が倒産してしまうと、多くの管理者の方々が真剣な口調で語られていたのが鮮明な記憶として残っています。
管理者の皆さんが抱える不安は、大筋として2つの側面から生じていることが分かりました。まずはスタッフの間で新型コロナウイルスが発生した場合に、事業所は休業になるので、他の事業所にサービスを振り替える必要性が生じます。そうなると、事業所が復帰しても利用者がいなくなるので、経営が破綻してしまうという不安です。そしてもう一方は、当時の訪問介護事業所では陽性の対応はできなく、利用者側に新型コロナウイルスが発生した場合には、撤退という方針の事業所が大多数でしたので、パンデミックにより陽性が多発した場合には、こちらも大幅な収入減となり経営が破綻してしまうのではないかという不安がありました。
あえて言葉にするまでもなく当たり前のことなんですが、サービスを失えば事業所に収入はありません。収入がなければ事業所は倒産しますし、仮に倒産までいかなくても、スタッフの賞与がなくなりなったりと、生活面で大きなダメージを受けるでしょう。つまりは利用者側の生活の安定と、スタッフの生活の安定は直結するという原理は、改めて受け止める必要があると感じます。
仮に食事や排泄に訪問介護を必要とする利用者が陽性になり、訪問介護事業所が撤退すれば、その人は低栄養や脱水になって最悪の場合は死に至ます。それはウイルスそのものによる死亡ではなく、罹患中の生活状況に起因する災害関連死ということであって、それを予防することは利用者側の救済になるばかりではなく、事業所側の収入の確保という観点からも重要になるわけです。死亡にまで至らないケースであっても、およそ2週間の撤退により、ADLが低下したり認知症が進行した場合には、在宅生活が困難になり施設に入居されるという判断も増えてくるでしょう。そうなれば事業所の収入も減少するわけですから、いずれにしても訪問介護事業所が早期介入して、その人の在宅生活の安定に貢献できる体制を整備することは、経営状況の安定性を確保するためにも必要なことであって、それは感染症に限らず、自然災害を含めたあらゆる事象に対してベースとなる原理として理解する必要があると思います。
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